市村正親、ポケモン史上初のリメイク映画で21年越しに再演「ミュウツーは誰でもない、僕なんだ」

息子の授業参観に行くと友達から「ミュウツーの声をせがまれる」と話す市村正親(カメラ・小泉 洋樹)
息子の授業参観に行くと友達から「ミュウツーの声をせがまれる」と話す市村正親(カメラ・小泉 洋樹)
圧倒的力を持つ最強のポケモン・ミュウツー(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku(C)Pokemon (c)2019 ピカチュウプロジェクト
圧倒的力を持つ最強のポケモン・ミュウツー(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku(C)Pokemon (c)2019 ピカチュウプロジェクト

 俳優の市村正親(70)が、1998年公開の映画第1作「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」で声を演じた最強のポケモン・ミュウツーを、シリーズ最新作「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」(湯山邦彦、榊原幹典監督)で再演する。ポケモン映画史上初のリメイクだが、「ミュウツーは誰でもない、僕なんだ」と絶対の自信を見せる。師と仰ぐ演出家と出会い、結婚し、2児の父となった21年間の進化を語った。(増田 寛)

 21年の歳月を経て、最強のポケモン・ミュウツーがフル3DCGで再び劇場に帰ってきた。「声優が変わらずに(オファーが)僕に来るのは当然でしょ!」。今年、古希を迎えた市村は自信たっぷりに話した。

 「ミュウツーは誰でもない、僕なんだという気持ちでやらせていただいた。声がミュウツーではなくて、魂がミュウツー。同じような声を出す人はいると思う。でも魂は僕にしか出せない」

 第1作目の「ミュウツーの逆襲」で、49歳の市村は出来上がった絵に声を吹き込むことに専念していた。だがその翌年、50歳の時に転機が訪れた。演出家・蜷川幸雄さん(2016年死去、享年80)との出会いだ。

 「蜷川さんと出会ってから『リチャード(三世)』、『ハムレット』、『(NINAGAWA・)マクベス』など、強烈な舞台作品ばかりに出会った。21年間で舞台俳優としてすごく幅広い役をやるようになった」

 古希を迎えた現在は役に向かう姿勢も変化した。

 「役を『どう見てもらうか』を昔は考えていた。今は『どう生きるか』になった。それが一番大きく変わった。49の声と70になった僕の声とは相当重みが違う」

 私生活も大きく変わった。05年には女優の篠原涼子(45)と結婚。今では2児の父になった。

 「子を授かり、旭日小綬章をいただいて、いろんな意味で自信を持てるようになった。21年間の僕が生きてきた結果が、今回の声を当てることに多少は生かされたと思っています」

 小学2年生と5年生の愛息もポケモンは大好きだが、「知らなかったみたいです、僕がミュウツーなのを。この前ミュウツーのぬいぐるみを持って帰ったら、『何で持ってるの』と聞かれて。『パパがやってるからだよ』と教えたら子供が『えぇー!』と驚いてました」

 市村演じるミュウツーは人間のエゴによって生み出され、「私は誰だ…」と自身の存在理由を自問自答する。市村もこの問答にぶち当たり、常に進化し続ける自分を追い求めた。

 「『私は誰だ』を突き詰めていくと『私は私』に行き着く。いろんな『私』があるけど、『前をもっともっと見続ける私』でないといけない。『私は私と言えるだけの自信を持った私になりたい』と望まないといけない」

 14年に胃がん、15年には右膝半月板の損傷を克服した。20年にはミュージカル「ミス・サイゴン」で一度卒業したエンジニア役に復帰する。まだまだ現役を譲らない市村が、今後目指す「私」はどのような存在なのか。

 「いつまでも“かっこいい市村正親”でいたいね。長く俳優を続けて、ゴルフも楽しんで。休むのは死んだ時だけでいい」

 ただ、現実として老いが迫っていることも受け止めている。だからこそ、多くの人に見てもらいたいという。

 「肉体は衰えていくもの。次にまたミュウツーの映画を作るとなった時に、セリフが言えなくなってしまっているかもしれないから。やっぱりポケモンを愛する人、映画の第1回を見た子たちに見てほしい。僕は子供と男3人で見に行きます」

 ◆湯山邦彦監督

 「この映画は、ミュウツーが市村さんでなければ、成立しなかったと思います。プレスコと言いますが、市村さんの声を先に録(と)り、その声に合わせてアニメーションを作成し、作品を作り上げたので、市村さんの迫力あるお芝居がそのまま表現できました。そのため、リアリティーあふれるミュウツーが誕生したと思っています」

 ◆ミュウツーの逆襲 

 EVOLUTION 1998年公開のポケモン映画シリーズ第1作「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」をフル3DCGでリメイク。全てのポケモンの起源と言われる幻のポケモン・ミュウ。最強のポケモンを作り出そうする科学者がミュウの化石を発見し、それをもとに人工的にポケモンを作り出す。人間のエゴによって生み出されたミュウツー(市村)は、自身の存在理由も分からないまま、兵器として扱われ、次第に人類への憎悪の念を宿していく。

 ◆市村 正親(いちむら・まさちか)1949年1月28日、埼玉・川越市生まれ。70歳。俳優・西村晃さんの付き人を経て、劇団四季のミュージカル「ジーザス・クライスト=スーパースター」のオーディションに合格。73年に四季入団。「ハンス」「オペラ座の怪人」などに出演。89年にはNHK紅白歌合戦に出場し、「オペラ座の怪人」を歌う。90年に四季を退団。その後はミュージカルを中心に活動。2005年12月、女優の篠原涼子と結婚。07年紫綬褒章、19年旭日小綬章を受章。

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