祝・50周年!テレ朝「ワールドプロレスリング」、第1回放送から猪木と馬場の“抗争”が…金曜8時のプロレスコラム

1969年7月2日付「報知新聞」16面
1969年7月2日付「報知新聞」16面

 地上波唯一の全国プロレス中継、テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」(関東地区は毎週土曜深夜2時から30分)が50周年を迎えた。6日放送の同番組では、1969年7月2日が記念すべき第1回放送と紹介され、これまでのタイトルバックや名場面がダイジェストで放送された。

 「日本プロレス中継として始まり、1973年から新日本プロレスとともに歩み、燦然と輝く数々の激闘、今も語り継がれる伝説をお伝えしてきました」というナレーションとともに流れた映像をすくい上げてみると…。

 坂口征二VSザ・シーク、アントニオ猪木VSストロング小林、猪木VSハルク・ホーガン、スタン・ハンセンVSアンドレ・ザ・ジャイアント、藤波辰己VS長州力、武藤敬司VS高田延彦、橋本真也VS高田、棚橋弘至VS鈴木みのる、オカダ・カズチカVS棚橋…。ほかにも初代タイガーマスク、獣神サンダーライガー、蝶野正洋(nWo)、永田裕志、天山広吉、飯塚高史、飯伏幸太、内藤哲也(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)、ジェイ・ホワイトらの雄姿。

 そして名言集も。「やれんのか!? 本当にお前」(飛龍革命での猪木)、「この道を行けばどうなるものか」(引退式での猪木)、「真鍋! 笑うなら笑え!」(大仁田厚)、「俺はプロレスがやりたいいんですよ!」(蝶野)、「一番スゲェのはプロレスなんだよ」(中邑真輔)、「愛してます」(棚橋)、「プロレスラーは超人です」(オカダ)。なかなかのセレクトだった。

 第1回放送当時のラテ(ラジオ・テレビ)欄を調べるため、資料室で記念すべき50年前の7月2日付「報知新聞」をひもといてみた。当日は金曜日ではなく水曜日だった。しかも新番組「ワールドプロレスリング」は、午後8時ではなく9時から1時間枠。金曜夜8時ではなく、水曜夜9時がスタートだった。さらに放送局はテレビ朝日の前身、NET(日本教育テレビ)の10チャンネル。番組名の前に「カラー」と表記されているのが、時代を感じさせる。

 下段に広告があり、猪木の卍固めの写真が目を引く。初のプロレス中継を勝ち取ったNETの気合の入りようがうかがえる。「今晩9時 プロレス中継開始! 世界最強の男たち 10チャンネル ワールドプロレスリング」対戦カードは、アントニオ猪木、吉村道明VSクルト・フォン・スタイガー、カール・フォン・スタイガー、大木金太郎VSエドワード・ペレス。猪木のジャーマンスープレックスの写真も。解説は遠藤幸吉、ゲストは桂小金治だった。

 日本プロレスの2大エース、ジャイアント馬場とアントニオ猪木のBI砲を日本テレビとNETで分け合った時代。この記念すべき、“猪木が主役”の第1回「ワールドプロレスリング」の裏番組を見てみると、日本テレビのトークバラエティー「あっぱれ!親バカ」(司会・高橋圭三アナ)のゲストにジャイアント馬場の名前が。まさに“仁義なき視聴率戦争”が当時からあったのだ。よく見ると、吉村道明もその番組に出ており“裏かぶり”OKの時代だった。

 その後、「ワールドプロレスリング」は月曜夜9時、月曜夜8時を経て、日本テレビが「日本プロレス中継」から撤退した72年7月に、伝統の金曜夜8時枠を継承。この時は、坂口征二が中心の日本プロレス中継だった。前出のシーク戦は、UNヘビー級選手権。独立した猪木は新日本プロレスを旗揚げしたばかりで、ノーテレビだった。

 坂口が新日本に移籍したことで、73年4月から「ワールドプロレスリング」は新日本プロレス中継になり、猪木が主役に復権した。81~83年に初代タイガーマスク、藤波VS長州の名勝負数え唄などで黄金時代を築いたが、86年10月に月曜夜8時に移行。金曜夜8時の最終回は同年9月19日の生中継で、報知新聞のラテ欄によると「『猪木×ドゥガン』『藤波×ブロディ』▽IWGPJ選手権『高田×越中』~福岡」だった。

 そして、88年3月21日(月曜夜8時)を最後にゴールデンタイムから撤退。同じく報知ラテ欄によると、最終カードは「▽IWGPジュニアヘビー級選手権『馳×越中』▽猪木×海賊ビリー・ガスパーほか」の生中継。

 同年4月から土曜夕方4時の「88ワールドプロレスリング」となり、主役は猪木から藤波に移行した(飛龍革命の1年だった)。50周年記念回では、この「88」のタイトルバックも紹介されたが、87年4月からの「ギブUPまで待てない! ワールドプロレスリング」(火曜夜8時)という“黒歴史”に触れられることはなかった。

 94年から土曜深夜に定着。2004年4月から30分番組になり、この頃からファンはCSテレ朝チャンネルでの生中継や完全版で楽しみ、今ではインターネット動画配信サービス「新日本プロレスワールド」が世界に配信されている。

 50周年記念回では、13日から始まる「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」で、グルメ屋台「筋肉食堂」において「ワールドプロレスリング」と「ラストアイドル」のスペシャルコラボが紹介されたが、BGMに藤波辰己の入場テーマ「マッチョドラゴン」(85年リリース)が使用された。この曲も「ワールドプロレスリング」が生んだ名曲と言える。藤波本人のボーカル入りは、お笑いタレントのユリオカ超特Qが「リアル・ジャイアン」と評したほどの“迷曲”でもある。

 歴史が深すぎる「ワールドプロレスリング」。今やプロ野球も主戦場ではなくなった地上波ゴールデンタイムへの復活は、望むべくもないが、長寿番組として、次の50年も“戦いのワンダーランド”へ連れて行ってほしい。(酒井 隆之)

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