羽田雄一郎氏、元首相ブランドで自民・小松氏と一騎打ち…長野選挙区

聴衆に手を振る羽田元首相の長男・雄一郎氏
聴衆に手を振る羽田元首相の長男・雄一郎氏

 改選1議席を巡り与野党で事実上の一騎打ちとなった長野選挙区。羽田孜元首相の長男、国民・羽田雄一郎氏(51)と自民党新人の小松裕(ゆたか)氏(57)が激しい選挙戦を繰り広げている。同選挙区は与党と野党で1議席ずつ分け合ってきたが、2016年から改選定数が1に。32ある1人区では全て野党共闘で臨んでいるが、長野県では知名度で勝る羽田氏がやや優勢に戦いを進める。一方、自民党は衆院比例北陸信越の元職で医師の小松氏を公認。菅義偉官房長官(70)ら閣僚が続々と長野入りし、猛追する。(久保 阿礼)

 7日午後、長野県東部に位置する小諸駅前。「連帯」、「アベ ヤメロ」、「脱原発」、「憲法9条を守ろう」などと書かれたプラカードを掲げた約50人の高齢者らは「雄ちゃん、雄ちゃん」などと口々に叫び、エールを送った。

 「野党統一候補として押し上げていただき、ありがとうございます」。羽田氏の演説は市民団体を中心とした聴衆に感謝の意を示すことから始まった。元首相の長男。圧倒的な知名度を誇り、やや優勢に戦いを進めている。陣営関係者は「油断なんてしてられません。まだまだです」と気を引き締めるが、保守層にも浸透しつつある。

 「このままでは米国が始めた戦争に参加しなくてはならない」。羽田氏は危機感をあおるように、安保法制や「戦闘機爆買い」による防衛費の膨張などを批判。自衛隊への入隊希望者が減っているとして徴兵制が導入される可能性にまで言及した。「安倍総理が戦争をできる国にしたから、親御さんが入隊を止めているのではないか」などと持論を展開した。

 安倍内閣打倒を掲げ、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党共闘が実現した。長野では共産が新人候補を取り下げ、羽田氏の支援に回ったことで16年に続いて与野党候補同士による事実上の一騎打ちとなった。

 ただ、羽田氏はジレンマに苦しむ。父は元自民党議員で、自身もこの春まで超党派国会議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の副会長を務めていた。陣営は保守層を取り込んでの当選を期待していたが、“共産色”などが全面に出る野党共闘でそれも難しい状況になった。

 3年前は杉尾秀哉氏(61、立民)=当時・民進=が与党候補に約7万4000票の差をつけ、逃げ切っている。「野党で2議席独占」との期待は大きい。「羽田ブランド」の勢いを終盤まで保てるか。自民関係者は言う。「難しい立場でしょう。安倍政権打倒で一致するしかないからね」

 ◆参院長野選挙区 1947年の第1回を除き改選2議席を与野党で分け合ってきた。50年から92年(2回から16回)まで日本社会党と自民党の構図だったが、95年(17回)に新進党と日本社会党が議席を獲得。再び98年(18回)から自民、民主となった。16年から改選議席が1減り、野党が獲得。参院議席の独占を狙う野党とそれを阻む与党との対決となっている。

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