元オペラ歌手が保守王国・石川で声響かせる「政治はオペラと似ている」…国民新人・田辺徹氏

白山市の山々を背にバリトンボイスを響かせる田辺徹氏
白山市の山々を背にバリトンボイスを響かせる田辺徹氏

 第25回参院選(21日投開票)石川選挙区は、史上初めて与野党一騎打ちの構図となった。野党統一候補の国民新人・田辺徹氏(58)は昨年末まで33年間、欧州でオペラ歌手として活動した異色の経歴を持つ。「政治はオペラと似ている」と語る真意とは―。

 「えっ、ココで歌うの!?」。元オペラ歌手らしい写真を撮らせて下さい、との記者のムチャぶりに対し、路上の田辺氏は両手を広げ、眉間をつり上げ、そして歌った。あ、あの~、ポーズだけで大丈夫です…と告げる間もなく、情感たっぷりなバリトンボイスが白山市の山々に響き渡った。

 全国屈指の保守王国に挑む野党統一候補は、タレントより異色。昨年までステージに上がっていた58歳の元オペラ歌手だ。「本来、政治とは様々な人生経験を積んできた人がやるべきものですから。まだ声がサビたとは思ってないけど、自分の人生で政治をする順番が回ってきたと」

 横浜市出身。1979年の高校卒業後、フルート奏者を志してオーストリアに留学。21歳で声楽に転向し、キャラクターバリトンのスペシャリストとしてドイツを中心に活動した。「2007年(第1次安倍政権時)にドイツから帰って来たら、社会保障や労働環境があまりにも違って。驚きは次第に怒りに変わったんです」。昨年末、国民の石川選挙区候補者公募に手を挙げた。

 正反対の世界とも思えるが「政治はオペラと似ている」との持論がある。「シェイクスピアでも何でも、人間の営みのある特定の時間に起きるドラマを表現するのがオペラであり劇作品。人間の営みの特定の何かにフォーカスしていく意味で政治の持つ問題意識は似ているんです」

 白山市での街頭演説。必要もなさそうなマイクを握った田辺氏は「敵は山田さんじゃなくて安倍さん! アベノミクスよりヒトノミクスを!」と訴えた。実は渡辺謙の独語、仏語、西語の吹き替え版声優でもある。もし落選しても…との失礼な問いにも「もう転身したんだから、コレをやっていきます」と断言した。ラストにはならなそうな「選挙サムライ」が声を枯らしている。

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