大谷翔平と白鵬の意外な共通点「運も実力のうち」は本物か?

エンゼルス・大谷(ロイター)
エンゼルス・大谷(ロイター)

 遡ること約1か月。6月13日(日本時間14日)のレイズ戦で、エンゼルス・大谷翔平投手(25)が、日本人メジャーリーガーとして初のサイクル安打を成し遂げた。イチローや松井秀喜が達成していなかったことも意外だったが、改めて大谷の打者としての才能の高さを示した試合となった。

 チームメートから祝福のビールをかけられ、珍しく私服で登場した試合後の会見。大谷の口からちょっと意外な言葉が出た。サイクル安打のイメージを問われた際に出た答えだ。

 「珍しいと思いますね。複数二塁打やホームランがあってもダメなので、『運』も必要だと思うので、そういう『ツキ』もきょうはあったんじゃないかなと思います」

 当たり前と言えば、当たり前かも知れない。特に三塁打は相手の守備陣形や守備力も重ならないと、なかなか出るものではない。実際に大谷は今季、まだ三塁打を1本しか打っていない。そんな試合に、本塁打も二塁打も単打も打つのは「運」も必要なのかも知れない。

 とはいえ、打席内容に関してはしっかりと分析して言葉を残す大谷にとって、無形の「運」や「ツキ」といったものを信じるんだな、とちょっと驚いた。漫画の世界をも超える二刀流男にも、人間くさいところもあるんだなと感じた。

 そんな言葉を聞いて「そういえば!」と思い出したことがあった。それは史上最強力士ともいわれる大相撲の横綱・白鵬の言葉だ。毎場所のように優勝を積み重ねていた14、15年に大相撲担当をしていたこともあり、2年間幾度も白鵬を取材した。横綱にもなると、後援会のパーティーや講演会で人前で話すことが多く、口酸っぱく言っていた言葉が今でも印象深い。

 「私には運があるんですね。でも運は努力した人にしか来ないんです」

 誰もが見ても圧倒的な強さを誇る白鵬でさえも、ことあるごとに「運」と言う言葉を使った。実際に、モンゴルへの帰国便のチケットを手配した直後に入門が決まった強運の持ち主でもある。大谷と白鵬。競技も生まれも育ちも歳も何もかも違うが、同じ「最強アスリート」ですら「運」にすがるのは、意外に感じる。

 大谷は、あの有名な花巻東の目標設定シートで「ドラ1、8球団」の目標を囲む8個の幹のうちひとつが「体づくり」、「スピード160キロ」、「メンタル」などと並んで「運」と記していた。その回りには「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「審判さんへの態度」などを書いていた。高校時代から「運」すらも味方につけようと思っていたのかと思うと、頭も下がる。

 「運も実力のうち」とはよく言ったものだ。でも、大谷や白鵬のように努力をして実力をつけないと運すら味方してくれないのか、と考えるとなんだか世の中は不公平だなとも思ってしまう。

 今年からメジャー担当になり、5月から約2か月、米国生活を続けているが、英語もまとも話せない私が「運」に助けられたこともたくさんあった。空港で迷っていると優しいおじさんが案内してくれたり、なぜかホテルの部屋がアップグレードされたこともあった。だいぶスケールは小さいが…。

 大谷&白鵬流に考えると、もっと努力をして実力をつければ、もっと大きな「運」が待っているかもしれない。あしたから頑張ろう…と思う日々。「あしたやろうはバカ野郎」ともよく言ったものだ。(記者コラム・安藤 宏太)

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

野球

報知ブログ(最新更新分)

一覧へ
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請