ついに難敵を打ち崩した。風穴をあけたのは4回、グラシアルのバットだった。山本の152キロ直球をコンパクトに振り抜き、右中間へ適時三塁打。「いい投手で点が取れていなかった。先制された後に追いつけてよかった」。対山本の開幕からの連続無得点を27イニングで止め、流れを変えた。松田宣の中前勝ち越し打など5連打を含む打者一巡の猛攻で4得点。過去3度の対戦の安打数は「1」、「1」、「6」だったが、この日は9本。対策が実った。
試合前、立花1軍打撃コーチが明かした攻略法のポイントは3つ。「引っ張ったらダメ」、「外角のストライクに来たボールを狙う」、「緩いカーブが来たら、ごめんなさいで、球種は3つに絞る」。150キロ超の直球、140キロ台のカットボール、ツーシームというスピードボールを狙って、いかに捉えるか。G砲の一打はミーティング通りの打撃だった。
工藤監督も「あれだけの投手を打つことはなかなかできない。価値のある勝利」と納得顔。チームは昨年8月以来の8連勝で貯金を今季最多の「15」に更新。2位・楽天とのゲーム差を今季最大の6に広げた。前半戦の首位ターンを決めた鷹軍団が独走モードに入った。(小松 真也)