古舘佑太郎“感情100%”俳優…伊知郎氏の長男、主演映画「いちごの唄」4日公開

スポーツ報知
「あくまで本業はミュージシャン」と語る古舘佑太郎(カメラ・橘田 あかり)

 フリーアナウンサー・古舘伊知郎氏(64)の長男で、歌手、俳優として活躍する古舘佑太郎(28)が女優の石橋静河(24)とダブル主演する「いちごの唄」(菅原伸太郎監督)が5日に公開される。古舘は1991年放送のフジテレビ系ドラマ「101回目のプロポーズ」の武田鉄矢(70)を参考に熱演。不器用ながら純粋な主人公になりきり「一瞬の出来事のように駆け抜けた」と振り返った。(有野 博幸)

 昨年9月20日から約3週間、誰よりも純粋で優しい心を持つ主人公のコウタになりきった。

 「撮影前は試行錯誤したけど、現場に入ってからは一瞬の出来事みたい。自分と役の切り替えがないまま、一人の人間としてやりきった。演じたのか、自分自身として存在していたのか分からないくらい全力で駆け抜けました」

 感情をむき出しにして商店街を走るシーンは特に印象的だ。

 「監督と話し合った人物像は、いそうでいない人。感情が100%出ちゃう男の子です。参考にしたのは、『101回目のプロポーズ』の武田鉄矢さん。リアルタイムでは見たことがなかったので、監督に勧められて何度も何度も見て参考にしました」

 石橋演じる「あーちゃん」こと天野千日(ちか)は中学時代のコウタにとって「女神」と呼ぶ憧れの存在。古舘自身にとっても撮影現場での石橋は、まさに女神のような存在だった。

 「石橋さんは僕が何をしても、心からすっごく笑ってくれる。それが本当にうれしかった。リアクションが最高なんです。自分が面白い人間のように思えて、勇気をもらいました」

 脚本家の岡田惠和氏(60)とロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸(41)によるオリジナル作品。コウタと千日は1年に1回、七夕の日に会う約束をする。銀杏BOYZの楽曲に通じるリアルとファンタジーが共存したラブストーリーだ。

 「もっと会いたいのに会えない。もどかしい気持ち。自分も10代の頃、そういう気持ちを味わったことがある。青春時代を経験した人なら誰もが共感できると思う」

 物語の舞台は東京・高円寺。古舘は撮影1か月前から中野のマンションで生活し、中央線沿線の雰囲気を肌に染み込ませた。銀杏BOYZの世界観を象徴するロケーションが随所に盛り込まれている。

 「銀杏BOYZさんが大好きなので、それを背負って最後までやりきれるのか、不安がありました。(ラーメン店の店主として出演している)峯田さんに相談したら『無理に寄せても意味がないから、自然体にやってくれたらいい』と言ってくれて、気持ちが楽になりました」

 ラブストーリーでありながら、それぞれが複雑な過去を抱え、奥深い青春物語に仕上がっている。

 「この作品の終わり方には、その先の展開にいろんなことを秘めている。見る人にとって全然違う未来を予想できる。観客それぞれの考えで、それぞれの答えがある。見終わった後も、みんなで話して盛り上がってほしい」

 大物アナウンサーである父とは違う音楽の世界で頭角を現し、俳優業にも進出。地道な努力で現在の地位をつかんだ。

 「父とは畑が違うので、ほとんど仕事の話はしないですね。気付かないところで影響を受けているかもしれませんが、似ているのは体形くらい。それに僕、しゃべりが得意ではないんです(笑い)」

 ここ数年はNHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17年前期)、ドラマ「この世界の片隅に」(18年)など俳優としての活躍が目覚ましい。

 「本業はミュージシャン。音楽は地元、俳優の仕事をするときは都会に出ていくような感覚。俳優としては今でもルーキーのような気持ちなので、撮影現場では、めちゃめちゃ緊張します。どちらも楽しいから、仕事のバランスを探っています」

 ◆「いちごの唄」 冷凍食品会社に勤めるコウタ(古舘)はある日、中学時代に憧れていた天野千日(石橋)と偶然、再会して1年に1回、七夕の日に会う約束をする。ある年、千日はコウタに秘密を告白し、別れを告げる―。銀杏BOYZの峯田和伸がラーメン店の店主を演じ、みうらじゅん(61)、田口トモロヲ(61)、宮藤官九郎(48)らがカメオ出演している。

 ◆古舘 佑太郎(ふるたち・ゆうたろう)1991年4月5日、東京都生まれ。28歳。2008年にロックバンド「The SALOVERS」を結成。10年、EMIミュージックの新人発掘レーベル「Great Hunting」からデビュー。17年に新たなバンド「2(ツー)」を始動。俳優としてNHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17年)、TBSドラマ「この世界の片隅に」(18年)、映画「九月の恋と出会うまで」(19年)などに出演。

 菅原伸太郎監督「ダサくて、痛くて、それでいてかわいくて、そして悲しみもある人。よくよく考えたら、やっぱりコウタは古舘君そのままな気がします。今後は、俳優をどのぐらいの頻度でやっていくのか分かりませんが、変な言い方をすると、決してうまく、器用になってほしくないです。偉大な父を持った一人の男の子として、悩んだり苦しんだり喜んだりしながら、生き続けてほしいと思います。いちファンとして、今後も古舘君の作品を楽しみたいと思っています」

芸能

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×