サニブラウン、40年ぶり2度の短距離2冠「練習を積んで、もっと速くなりたい」

男子200メートル決勝、20秒35で優勝したサニブラウン・ハキーム(カメラ・谷口 健二)
男子200メートル決勝、20秒35で優勝したサニブラウン・ハキーム(カメラ・谷口 健二)
日本選手権男子100&200メートルの2冠
日本選手権男子100&200メートルの2冠

◆陸上 日本選手権 最終日(30日、福岡・博多の森陸上競技場)

 男子200メートル決勝が行われ、17年ロンドン世界陸上7位のサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=が20秒35(向かい風1・3メートル)で2大会ぶりに優勝し、9月27日開幕のドーハ世界陸上代表に内定した。28日に10秒02で制した100メートルと合わせ2冠を達成。2度の短距離2冠は生駒一太(47、49年)、豊田敏夫(77、79年)に次ぐ40年ぶり3人目の快挙だ。18年アジア大会金メダルの小池祐貴(24)=住友電工=が20秒48で2位。

 目を見開き、歯を食いしばった。サニブラウンは最後まで先頭を譲らなかった。「疲労もある中で、よく走ったなという感じです」。フロリダ大の代名詞である、口を開けたワニのポーズを両手で作り、表情が緩んだ。2度目の短距離2冠達成は歴代最多タイ。「2017年にできたことが、強くなって帰ってきた今の自分にできないはずがない」。期待に応え続けた20歳は、どこまでも強かった。

 29日の予選後、小池らライバルと「明日は(最初の)100メートル(飛ばして)いくぞ、と話していた。120メートルくらいまでは(隣に)いると思った」。コーナーを抜けた時点では小池と大接戦。直線でじわりと差を広げ、0秒13、約1メートルのリードでアジア大会金メダリストをねじ伏せた。梅雨の大雨、1・3メートルの向かい風の中でも世陸参加標準(20秒40)を上回った。200メートルで3大会連続の世陸へ「練習を積んで、もっと速くなりたい」と前を向いた。

 2年前、18歳で2冠を達成した自分を「ただ走っていただけ」と評する。「今回は頭を使って、いろいろなことを考えてやれた。内容は全然違う2冠。(米国で)勉強も言語も違う中でやってきて、いい成果が出せた」。4日間で5レース。力の配分や課題の改善をしながら、全て1着で走った。フロリダ大の指導スタッフ、アントワン・ライト氏は「彼は簡単な道は選ばない。目標を達成するため、本当に努力をする」と明かした。サニブラウンは「(自分が)成果を見せることで(後進が)米国や他の外国でもまれるチャレンジ(の契機)になればいい」とも願った。

 小学生では走り幅跳びにも取り組み、6年生で都大会上位レベルの4メートル52を記録。成長期の股関節痛などで短距離に専念したが、恵まれたバネと身体能力が土台にある。15年世界ユース選手権(18歳未満の世界大会)で100&200メートル2冠。世界記録保持者のウサイン・ボルト氏も成し得なかった快挙を果たし「五輪の金メダルや世界記録を狙えるような、もっと上を目指す選手になりたい」と誓った。あれから4年。その言葉が現実になりつつある。

 出生地・福岡での大会期間中には祖母とも4年ぶりに再会。「もつ鍋、うなぎ、イカ、ゴマサバ、海鮮丼…。そばとうどんも食べました」と胃袋を満たした。次の大舞台は世陸。個人100&200メートルと、400メートルリレー。3種目で表彰台に挑む。「もっと速い選手と走ることになる。課題を糧にして決勝に食い込めるように。親とか、サポートしてくれる人にも感謝して、これからも頑張りたい」。日本中の夢を乗せて、世界と渡り合う。(細野 友司)

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