元SDN48のライター・大木亜希子さん、元AKB8人と人生の答え合わせ「アイドル時代はこの本で完全に成仏」

「アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア」で、元AKBグループの第二の人生を紹介した大木亜希子さん
「アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア」で、元AKBグループの第二の人生を紹介した大木亜希子さん

 元SDN48のメンバーで、現在フリーライターとして活躍する大木亜希子さん(29)が、初の著書「アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア」(宝島社、1512円)を出版した。ラジオ局社員、保育士、バーテンダーなどに転身したAKBグループの元アイドル8人の今を追ったドキュメント。自身もライターというセカンドキャリアを生きる大木さんに聞いた、大人になった「元アイドル」の生きざまとは。(樋口 智城)

 元SDNのライターが書いた初の著書。内容の前に、聞きたいことがあった。大木さん自身がどういう経緯でアイドルからライターに転身したのか。

 「SDNに入る前ですが、中学生の時に父が亡くなって、卒業とともに双子の姉と芸能事務所に入りました。家計の支えになればと思ったんです。そうそう、2005年にタレントとしてデビューした時、報知さんで大きく取り上げてもらいましたよ!」

 ドラマなどにも多数出演したが、20歳で転機を迎える。

 「この年齢って、必ずセカンドキャリアの壁があるんですよ。今後どうしようか私も悩んで。何かを変えたくてSDNのオーディションを受けました」

 SDNはAKB48の“大人向け”姉妹グループとして09年に誕生。当時はAKBグループが国民的アイドルへと成長する頃で、大木さんも11年にはNHK紅白歌合戦のステージにも立った。

 「でも、画面には全く映っていなかったんですよね。紅白に出たけど、人気は蚊帳の外。渦中にいるのに渦中にいない感じでした」

 この頃の経験が後の社会人生活の下地になった。

 「人気のない私がツイッターでどう目に留めてもらうか、いろいろ分析して書き込んでいました。握手会ではファンが少なくても手放さないよう、興味を持たれる会話のつなぎ方とかを覚えました。後に会社員で営業とか行った時に生きましたよ。当時は自尊心も崩壊状態だったんですが」

 SDNは12年3月に一斉卒業という形で活動を終了。2年半のメジャーアイドル時代を終え、その後1年半は姉妹で地下アイドル生活を送った。

 「武道館ライブの連続だった生活から、お客さん3人の日々。その頃並行して、面白い友人とか芸人さんの話をネットサイトの『しらべぇ』で書かせていただいていたんですよ」

 25歳になった時、名刺も交換したことない人生って何だろう?と焦りを感じた。

 「それで一念発起。15年に『しらべぇ』の編集部へ正式に入社。アイドルをやめて、会社員になりました」

 18年からはフリーライターに転身。大木さんの人生にはセカンドどころかサードもフォースもキャリアがある。初の著書のテーマを元AKBグループメンバーたちのセカンドキャリアにしたのは必然だった。

 「他の子はどうなっているのかなと、ふと考えました。これ書くの、経験ある私しかできないことでしょう?」

 自ら企画を立て、宝島社へ持ち込み。一からネタ集めを始めた。

 「事務所をやめている人がほとんどなので、AKBの初期メンバーとかに『●●ちゃん知ってる?』とLINEで聞いて、つなげていきました。友達ネットワークですね」

 表に出たくないと断られることもあった。

 「元アイドルとは人に言わずに生きているから協力できませんと。私自身は後の人生で『元アイドル』が武器になりましたが、色眼鏡で見られたくない思いは非常に分かります」

 8人を取材して感じたのは、アイドルたちの転身先でのパワー。

 「アイドル業界はキラキラしていますけど、光の部分は1~2割。残りは先輩とのコミュニケーションや上下関係、自己プロデュースとかに全力投球。でもこういうの、社会の縮図、一般社会にも通じるものじゃないですか。短期間で濃縮してぎゅっと学べる場を経た人は、みんなひとかどの人物に成長するものですよ」

 自分と同じ経験をした女性から話を聞くことで、人生の答え合わせがしたいと思った。

 「アイドル時代の経験をどう成仏させていいか分からなかったんですけど、もう思い残すことはないですね。この本で完全に成仏です!」

 ◆大木 亜希子(おおき・あきこ)1989年8月18日、千葉県生まれ。29歳。2005年「亜希子」の芸名で日本テレビ系ドキュメント番組「記憶のチカラ2」で姉・奈津子とともにデビュー。同年、同局系ドラマ「野ブタ。をプロデュース」で女優デビュー。10年に「SDN48」のメンバーとして活動開始し、12年に卒業した。15年、ネットサイト「しらべぇ」を運営する「NEWSY」に入社。18年に独立した。

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