【なでしこ検証】<下>新戦力発掘に時間かけ過ぎた

声援を送ったファンに頭を下げるなでしこイレブン(ロイター)
声援を送ったファンに頭を下げるなでしこイレブン(ロイター)

 なでしこジャパンは決勝トーナメント(T)1回戦でオランダに1―2で惜敗した。0―1の前半43分、MF長谷川唯(22)=日テレ=のゴールで追いついたが、終了間際にDF熊谷紗希(28)=リヨン=がハンドで与えたPKを決められ終戦。高倉麻子監督(51)体制では先制されると16戦未勝利(1分け15敗)と勝負弱さを露呈した。11年ドイツ大会で優勝、15年カナダ大会は準優勝だったが3大会連続の決勝進出はならず。スポーツ報知では苦戦の要因を2回にわたって検証する。

 新戦力の発掘に時間をかけすぎた。2月28日のシービリーブス杯・初戦の米国戦(2△2)では、途中出場も含めて5人が国際Aマッチ初出場。この大会でデビューした遠藤純、小林里歌子、南萌華、宮川麻都がW杯メンバー入りした。個々の能力が高く、昨年のU―20W杯フランス大会優勝者など国際経験も豊富だ。年代別代表から高倉監督の下でプレーしたこともある選手も多く、戦術理解はもともとあった。

 シービリーブス杯米国戦は、W杯初戦アルゼンチン戦(0△0)のわずか3か月半前。エースFW岩渕をはじめ、けが人の回復が想定以上に遅れ、「主力がほとんど、真ん中の軸がいない状況」(高倉監督)だったことで新たな選手を探さざるを得なかった。そのため、チームの細部の連携を図るには時間が足りなくなった。決勝T1回戦でオランダに1―2で敗戦。その試合前、高倉監督は「結局、(戦術を)詰めてはこられなかった。ここに来ても、ちょっとそういう状況がある。何となく(戦力が)そろってきたので、加速していけば完成するのは早い」と期待したが、8強入りはならなかった。

 今大会の8強の顔ぶれを見ると、7か国が欧州勢。5月の女子欧州CL決勝に初めて進んだバルセロナ(スペイン)や今月25日に女子サッカー参入を発表したRマドリード(同)など男子の強豪クラブが女子にも強化費をかけるようになり、急激に力をつけた。恵まれた体格に加え、激しい競争下でもまれ、技術も組織力も上がっている。日本は全員で守って全員で攻める。総合力で戦うチームにとって成熟が必要不可欠だった。

 約1年後に東京五輪を控え、収穫もある。年代問わず有望株を試した結果、平均年齢は今大会ジャマイカに次ぐ2番目に若い24歳と若返った。W杯の大舞台で経験したことは、若きチームにとって大きな財産だ。指揮官は「ウチはまだ引き出しを引いてない。もっと開ける」。メダル獲得へ、1年という期間は長くはない。(なでしこジャパン担当・小又 風花)=おわり=

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