【なでしこ検証】<上>誤算だったけが人の多さ…練習内容も交代カードも限られ

オランダに競り負けたなでしこイレブン(ロイター)
オランダに競り負けたなでしこイレブン(ロイター)
なでしこジャパンメンバーと今大会の出場時間
なでしこジャパンメンバーと今大会の出場時間

◆フランス女子W杯決勝トーナメント1回戦 日本1―2オランダ(25日・ロアゾン・パルク競技場=レンヌ)

 なでしこジャパンは決勝トーナメント(T)1回戦でオランダに1―2で惜敗した。0―1の前半43分、MF長谷川唯(22)=日テレ=のゴールで追いついたが、終了間際にDF熊谷紗希(28)=リヨン=がハンドで与えたPKを決められ終戦。高倉麻子監督(51)体制では先制されると16戦未勝利(1分け15敗)と勝負弱さを露呈した。11年ドイツ大会で優勝、15年カナダ大会は準優勝だったが3大会連続の決勝進出はならず。スポーツ報知では苦戦の要因を2回にわたって検証する。

 メンバー発表の段階から不安があった。23人の中には、昨年4月に右膝前十字じん帯と内側半月板を損傷したMF阪口の名前があった。優勝した2011年ドイツ大会など4大会連続選出で、国際Aマッチ出場124試合はチームトップ。かつて澤穂希さんとボランチを組んでいた「心臓部」(高倉監督)で、技術と経験値が高いことは確かだ。

 ただ、けがの回復が遅れており、今季は一度も公式戦の出場がない。4月上旬、クラブの練習時間帯にはおらず、終わる頃に姿を見せた。完全別メニューでリハビリをしているようだった。コンディションが上がらないままでも、指揮官は阪口不在の代表活動で空き番にしていた背番号10を託した。「初戦に合わせるのは難しい」と分かっていながら、精神的支柱となると踏んで選出した。選手が練習していない時間も、必死にリハビリに取り組んだ。だが、練習には完全合流することなく大会を終えた。

 阪口以外にもコンディション不良者が多すぎた。5月22日、千葉県内での国内合宿初日は、リーグ戦で右膝を負傷したFW岩渕が部分合流、右足首負傷のFW小林、右膝負傷のFW植木理子は別調整だった。選手からは「合宿期間は、ほとんど調整に近い練習で、これで本当に大丈夫かなと思いました」「これで初戦を迎えるのは不安でしかない」という声もあった。植木は同31日に離脱。W杯開幕後もMF籾木が右太もも裏痛、DF宇津木がふくらはぎ違和感で別メニューに。初戦ではMF長谷川も左足首を痛めた。練習はミニゲームや場面ごとに区切って行うにとどまり、全員がそろうことはなかった。

 阪口の復帰を決勝Tからと見据え「メドはついている」と話していた高倉監督は、イングランド戦の前に「当初思った目安よりはグラウンドに出てくるのが遅くなっている」と吐露した。阪口は複雑な心境の中でも明るく振る舞い、同じポジションの三浦らに積極的にアドバイスしていた。けが人の多さは誤算だが、舞台はW杯。練習内容も交代カードも限られる中で、勝ち進むのは難しかった。

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