何度も聞かれた「そんなにすごいの?」 大船渡・佐々木朗希は最後の夏にどれだけの球を投げるか

大船渡・佐々木朗希
大船渡・佐々木朗希

 今年も高校野球の季節がきた。22日に開幕予定だった沖縄は2日連続の雨天順延で1週遅れることになったが、22日に南北海道函館地区で開幕。北海道では札幌、十勝、北見など各地区で熱戦がスタートしている。多くの注目校、有望選手が順次登場してくると思うが、個人的に最も気になるのは、大船渡(岩手)と佐々木朗希投手(3年)の戦いということになる。

 名前は知っていても、ちゃんと見たことがないという方がほとんどだろう。テレビのニュース映像を見た人は多いかもしれないが、たとえテレビだとしても、せめて1イニングぐらいは通して見てみないと本当の姿は分からない。だからいまだに、半信半疑の人も多いようだ。佐々木のピッチングを実際に見たと言うと、ほとんどの人から「そんなにすごいの?」と聞かれる。

 結論から言えば、本当にすごい。ただ、スカウトの間でも、この評価が固まったのは今年の春。昨夏は2年生ながら154キロをマークし、秋には157キロまでスピードを上げていたが、チームとしては東北大会に進めなかったこともあって、担当スカウトを除けば見たことがないスカウトも多かった。決定的だったのは、163キロをマークした4月の代表候補合宿。佐々木の登板前に「あんまり投げてないんでしょ?」と懐疑的な目を向けていたあるスカウトは、投げ終わると「歴代NO1」とあっさり手のひらを返した。

 ある東北担当のスカウトは「僕らの間では分かっていたこと。でも、去年まではどんなに押しても、そんなに聞いてもらえなかった」と苦笑した。センバツ1回戦で星稜(石川)の奥川恭伸投手(3年)が、履正社(大阪)を17奪三振で3安打完封したとき「これより佐々木がいいの?」と聞かれ、「僕は佐々木が上だと思います」と答えると、笑って信用してもらえなかったという。まさに百聞は一見にしかず。163キロだけではなく、代表候補が誰も前に打球を飛ばせなかった6者連続三振で、評価を巡る論争にあっさり終止符が打たれた。

 その後、一時的にプレー強度を落とし、本人が「4、5割ぐらい」という直球が140キロ程度のピッチングを続けていたが、春季大会敗退後は徐々にペースを上げてきた。6月2日に行われた佐久長聖(長野)との練習試合では、MAX153キロをマーク。それでも、「加減して投げているけど…」とスカウト陣が前置きしたように、全力で投げてないことは明らかだった。負けたら終わりの勝負所で、どれだけの球を投げるのか。もちろん球速を含めて、楽しみは尽きない。

 岩手県大会は6月26日に抽選が行われ、ノーシードの大船渡はいきなり強豪私立と対戦する可能性もある。開幕は7月11日。大船渡での甲子園にこだわった佐々木にとって、最後の夏が幕を開ける。(記者コラム・山口 泰史)

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