福山雅治、走り続けた「集団左遷!!」で思わぬ発見「我々世代は伸びますよ!」

クランクアップし花束を受け取る福山雅治
クランクアップし花束を受け取る福山雅治

 歌手で俳優の福山雅治(50)が、23日で最終回を迎えるTBS系日曜劇場「集団左遷!!」(日曜・後9時)を前にインタビューに応じた。江波戸哲夫氏の「新装版 銀行支店長」「集団左遷」が原作。大手メガバンクという巨大組織を相手に、組織の理不尽さと闘う銀行員・片岡洋を演じた。「本気で走り続けた」という4か月間。今作に懸けた熱い思いを語った。(加茂 伸太郎)

 50歳の節目を迎えた福山が、平成最後の日曜劇場を完走した。「組織人の心の葛藤を描ければ」と臨んだ4か月間。「ガリレオ」シリーズの湯川学に代表される、スタイリッシュな役柄とは対極の熱血漢。チャレンジングな作品だったが、得たものも大きかった。

 副頭取まで上り詰めた横山(三上博史)との直接対決を描いた第2章「本部編」に突入。23日の最終話では、三友銀行が横山の思い通りになってしまうのか、諦めない片岡に女神がほほ笑むのか、その答えが出る。

 ごく普通のサラリーマンの片岡。事あるごとに「頑張る」「頑張る」と発し、自分自身、仲間たちを鼓舞し続けた。どんなキャラクターだったのか。

 「片岡の『頑張る』は彼の誠意。武器のない彼の、唯一の表現方法だったのかもしれない。頑張るということしかできないですから。理念はお客様本位。お客様に対して誠実に向き合う。そのために、会社自体が誠実な会社でなければいけない。だから不正は許せない。誠実でウソがないからこそ頑張れる―というのが彼の理念だったと思う」

 特異なキャラクターを演じるにあたり、どうすれば視聴者の共感を得られるか。自問自答を続けた。

 「我々はどこかで建前や弱み、痛み、ネガティブな部分を共通項として持っている。やっぱり片岡(みたいな人間)は扱いにくいですよね…。完全無欠の誠実さではないだけに、難しい役どころでした」と明かす。「上司や会社に対して噛(か)み付いちゃう人はいる。ラジオでよく言うんだけど、噛み付いたっていいことないよ…と。噛み付き方が1つあるとすれば、それは甘噛み(笑い)。本気で噛んじゃダメ。それでは事態が好転しない。いかに物事をうまく運ぶようにするかが、(仕事をする上での)ミッションだから」

 「頑張る」の表現の1つが走るシーンにある。多摩川の土手やあぜ道、会社までの道のり、社内を走る、走る、走る…。スーツ姿に身を包み、全力で駆けた。

 「一生懸命に走るのはいいけど、ケガをしてしまったら撮影に支障が出てしまうし、作品の内容が変わってしまう。片岡が急に走らなくなったら、今まで走って来たのは何だったってなる」。肉離れやアキレス腱(けん)断裂をしないよう、ケガには細心の注意を払い、100本以上をスプリント。総走行距離は10キロ以上に及んだ。

 そんな中、思わぬ発見もあった。走力のアップだ。「不思議なもので、年を取っても走り続けていると、(スピードが)速くなっていった。仕事以外でも何でも、同じことだと思うんです。年を取って新しく始めたり、久々に再開しても上達しないと思っていたけど、そんなことはなかった」と力説。「同じ50代の世代の方には言いたいですね。新しく始めたり、再開することがあったとしたら、我々世代は伸びますよ! 『走る』ということから、教えてもらった気がします」

 撮影期間中、うれしい出来事があった。品川区にある大森貝塚を訪れた時のことだった。「バスのターミナルにいた誘導のおじ様が、『片岡支店長! いつも見てます』って(笑い)。去ろうとしたら、僕の背中に向かって『蒲田支店、頑張れ!』って言って下さったんです。支店での撮影の時はギャラリーも多かったけど、蒲田界隈(かいわい)で愛されている感じが伝わってきた。(作品が)届いているんだなと実感できて、うれしかったですね」

 高校卒業後、地元の長崎で就職し、5か月間、社会人生活を送った。「やっぱり俺は組織人、無理だな。(会社という組織の)構造は分かっているつもりだけど、奥深い精神面の部分ではなかなか」と苦笑した。

 互いの「正義」を懸けた、三上博史ふんする横山副頭取との対決シーンは見どころの1つ。初共演の三上にはどんな印象を持ったか。「男前ですからね、三上さん。男前の人が怒った顔をすると、怖いですよ。目力もある。『普段やらない見えを切る芝居を、内心照れながらやっている』という記事を読んだけど、(三上さんは)キャリアをお持ちでいながら、新しいチャレンジをされている。その覚悟と迫力(がすごかった)ですね」

 最終話では、片岡の行動が三友銀行のためになるのか、部下のためになるのか、お客様のためになるのか、が描かれる。福山は「逆転できそうで、できない。スカッとする場面が来なくて『あ~、またダメだった…』という感じで展開していったと思う。でも、最終話は『そうだよな』『良かった』と思ってもらえるんじゃないか」と自信をみせる。

 連ドラデビューは、同じTBS系の「あしたがあるから」(91年、今井美樹主演)だった。あれから28年。「日曜劇場には、重厚さというものがあった。50歳になったからこそ、声を掛けていただけたと思う。横山とは、何かしらの決着が付く。最終話はスカッとできると思います」

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