これぞ永遠のアイドル…伊藤蘭41年ぶりの音楽活動再開ステージにファンも記者も大興奮

ソロライブで41年ぶりに熱唱した伊藤蘭
ソロライブで41年ぶりに熱唱した伊藤蘭

 これぞ、アイドルだ。元キャンディーズで女優の伊藤蘭が、芸能生活48年目にして初めて開催したソロライブを取材。ステージ上の彼女の姿、何より客席の熱気にそう強く感じた。

 1970年代に一世を風靡(ふうび)した3人組アイドルグループ「キャンディーズ」のセンター。故・田中好子さん(享年55)、藤村美樹さん(63)と活動し、整ったルックスはもちろん、3人の奏でる美しいハーモニーで「年下の男の子」「春一番」など大ヒットを連発、ピンク・レディーと人気を二分した。

 活動期間はわずか約6年。人気絶頂期に「普通の女の子に戻りたい」という解散宣言を経て迎えた78年4月4日、女性グループ史上初の後楽園球場でお別れコンサートを開催した。5万5000人を動員した伝説のアイドルだ。

 20代の記者は、キャンディーズを映像の中でしか知らない。当時の世間が抱くキャンディーズへの温度感などは分からない。そのためコンサート前、伊藤には、「すてきな母親」という印象を強く抱いていた。

 長女で女優として活躍中の趣里を何度も取材する機会があった。特に印象に残っているのは昨秋のインタビュー。趣里は、とにかく気さくで、彼女が大好物というかき氷についてマシンガントークを繰り広げた。

 インタビュー後、その日が趣里と初対面だったカメラマンが「すっごくいい子。いいご両親に育てられたんだろうね」と、とりこになっていた。趣里の女優としての表現力の高さは彼女の努力であって、両親は関係ない。だが、周囲を明るくする人柄の良さは、伊藤が母親として彼女と向き合い続けたことも遠因ではないかと思っていた。

 今年、伊藤は解散コンサート以来41年ぶりの歌手活動を再開した。6月11日に東京・後楽の「TOKYO DOME CITY HALL」でソロライブを開催。公演前、「とうとうこの日が来てしまった」と緊張した様子だった。それもそのはず。ライブは解散公演以来、1万5043日ぶり。しかもソロでは初めてで「1人で歌うのはさみしい。両隣にいてほしい」と弱音を吐露していた。

 一方、プラチナチケットを手にした2500人のファンも緊張していたように見えた。主な客層は、キャンディーズ時代から応援している中高年の男女。開幕すると、歓声は起こったが、それぞれが他のファンの出方を伺っているのか、おとなしかった。きっとファンも年月を重ねて、応援の仕方が“オトナ”になっているようだった。

 しかし、中盤に会場の空気ががらりと変わった。伊藤が音楽に関する詩を朗読した後、スクリーンには「春一番」の文字が映し出された。イントロが流れ始めると、客席は大興奮。しかも、それだけでは終わらない。伊藤が原曲キーで当時と同じフリで披露。すっかりアイドルの顔に戻り、客席に何度も手を振った。解散時の23歳のままの姿に2500人は一瞬にして、41年前の青春期にタイムスリップ。コールをし、一緒に踊る人、涙を流す人の姿も見られた。上の階から熱くなる会場を見つめていた記者も何だか目頭と胸が熱くなった。

 終演後、観客と同じ出口から帰宅する際、「生きててよかった」という声を耳にした。伊藤がこの41年で、女優、妻、母親、そして田中さんとの別れを経験したように、2500人のファンも色んな人生を積み重ねただろう。時につらいこと、苦しいこともあったのでは。それでも、当時の変わらない姿でファンを満開の笑顔にさせた伊藤…いや、蘭ちゃんこそ、永遠のアイドルだ。(記者コラム)

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