【二宮寿朗の週刊文蹴】弱いと見るか、しぶといと見るか

アルゼンチン代表・メッシ(ロイター)
アルゼンチン代表・メッシ(ロイター)

 物事は一つの見え方にとどまらない。

 開催中の南米選手権。初戦でコロンビアに0―2と完敗したリオネル・メッシを擁するアルゼンチンは、続くパラグアイ戦も1―1引き分けに終わった。

 マークのきついメッシが前線で働けず、周りも助けられない。あっさり突破を許す守備もいただけない。バッシングが巻き起こるのは無理もない。

 あーあ、今回のアルゼンチンはダメだわ。そう思ってしまうほどの内容の悪さ。〝レジェンド〟ディエゴ・マラドーナもかなりご立腹だと聞く。

 前半のシュートは1本だけでコロンビア戦と一緒。1点リードされ、前半を見る限りは期待感もしぼんだ。ただ、初戦と違ったのは反撃の流れをつくって同点に追いついたこと。後半スタートからセルヒオ・アグエロを投入し、3トップへの変更が効いている時間帯にPKを得ている。

 以降は再び攻めあぐねて逆にPKを奪われたものの、ここはGKフランコ・アルマーニが救った。負けてもおかしくないゲームでの勝ち点1は「何だかんだいってしぶといな」とも思えた。

 ダゾーンの中継で解説した福田正博氏のコメントが耳に残った。

 「相手にリズムがあるときは、いきなり自分たちのリズムにはならない。まず両方のチームにリズムがないように持っていくのが重要なんです」

 これはゲーム中の駆け引きに対する見解なのだが、大会そのものの戦い方にも当てはまると感じた。今はアルゼンチンのリズムではない。だが完全にパラグアイのリズムにさせたわけでもない。焦って引き戻そうとせず、ひとまず好転させるためのきっかけをつくろうとしたのだ、と。

 初戦を落としながら決勝まで進んだ90年イタリアW杯のようにしぶとく勝ち上がるのはアルゼンチンの伝統。このままで終わるセレステ・イ・ブランコではないと思いたい。(スポーツライター)

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