名将のお墨付き!楽天ドラ6・渡辺佳に期待する理由

初のお立ち台にも立った楽天のドラフト6位・渡辺佳明
初のお立ち台にも立った楽天のドラフト6位・渡辺佳明

 名将の眼力は衰えることがないということを、思い知らされた。6月5日の巨人戦(楽天生命)。プロ4度目のスタメンとなった楽天のドラフト6位・渡辺佳明内野手(22)=明大=が、プロ初タイムリーを含む3打席連続安打を放ち、プロ初の猛打賞をマークする大活躍。チームの勝利に貢献し、初のお立ち台にも立った。この日、私は渡辺の祖父である元智氏(74)に電話で感想を聞いた。

 元智氏は、横浜高の監督として甲子園通算5度の優勝を含む歴代4位タイの51勝をマーク。言わずと知れた名将だ。50年にも及んだ指導歴の中で、プロに送り込んだ教え子は50人以上。顔ぶれも、中日・松坂、ロッテ・涌井、DeNA・筒香、日本ハム・近藤ら多岐にわたる。その最後とも言えるのが、自身の孫である佳明だった。

 横浜市内の自宅でテレビ観戦していた元智氏。受話器越しにうれしそうな声が聞こえてきた。

 「(前のカードの)ソフトバンク戦の時も、凡打を含めて内容が非常によかったから、ヒットが出るんじゃないかと思って見ていたんですよ。左対左(巨人の先発は田口)ということで、右肩を開かずにセンターから逆方向へ打ち返す意識が徹底できてましたね」

 そして、こう続けた。

 「外の変化球を拾ってセンター前に打った2打席目のバッティングは、六大学の時に持ち味としていたもの。それがプロの舞台で出せたのは、本人も自信になるんじゃないかな」

 試合後、渡辺佳に3安打のうち、一番満足できるヒットを聞いてみた。すると「2打席目ですね。あのチェンジアップを拾ったヒットが、自分らしさが一番出た打席だったんじゃないかと思います」と即答した。

 ものの見事に見解が一致した。さすがは名将、さすがは祖父だと驚かされた。ちなみに「何か気になったことがあれば連絡しようと思ってたんだけど、今は何も言うことがないから」と、特にアドバイスなどは送っていないという。

 元智氏は沖縄・久米島での春季キャンプを視察した際、こうも言っていた。

 「佳明は上のレベルでやれば、それに順応していける能力が高い。1軍でプレーできれば、もっともっとよくなっていきますよ。高校も大学もそうだったから」

 中学時代は身長160センチ台で、名門・中本牧シニアでは試合に出たり出なかったり。元智氏は公立高への進学を勧めたほどだった。横浜高でも右肘に成長痛を抱えて一塁でのプレーを余儀なくされ、別の大学への進学を検討していた。それでも、横浜高には一般入試を突破して入学するなど、自らの強い意思で進路を切り開き、高いレベルで揉まれて自身を鍛え上げてきた。

 プロでもそうだ。現在のプロ球界は巧打の左打ちというのは飽和気味で、ドラフトでは評価されにくい。実際、東京六大学リーグで4年秋に首位打者を獲得するなど、リーグ戦通算95安打をマークしながら、指名順位は6位と低かった。それでも、慣れない外野守備も無難にこなしながら、こうやって1軍で堂々とプレーしている。

 元智氏の言葉には、説得力がある。決して、孫だから過剰に評価しているわけではない。名将のお墨付きをもらった渡辺佳の活躍を、これからも期待していきたい。(記者コラム・片岡 泰彦)

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