オリックスのジョーイ・メネセス内野手(27)が、ドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示した可能性があることが16日、分かった。複数の関係者によると、NPBが事実関係を確認した後、正式処分を発表するとみられる。
今季加入したメネセスは、3月に行われた侍ジャパンの強化試合でメキシコ代表の4番を務めた。チームでも開幕からクリーンアップで起用されたが、右手人さし指伸筋腱(けん)周囲炎で5月5日に出場選手登録を抹消。それまで29試合に出場し、打率2割6厘、4本塁打、14打点だった。その後、リハビリを経てフリー打撃を再開するまで回復したが、2軍の実戦には復帰していない。現在は全体練習に参加しておらず、この日も大阪・舞洲の2軍施設でユニホームを着用せずに自主練習を行った。
球団はNPBの正式な発表を待った上で、契約解除を含めた結論を出すとみられる。この日、福良ゼネラルマネージャー、湊球団社長ら幹部は、阪神戦が行われた京セラDで、「言えることはありません」と、明言を避けていた。
最終的に処分が下されれば、昨年8月に発覚した元楽天のアマダー以来、NPB6人目。アマダーは試合後に採取された尿検体から利尿薬、隠蔽薬として禁止物質にあたる薬物が検出され、6か月の出場停止処分が下された。
◇過去のNPBドーピング違反と処分 2007年にガトームソン(ソフトバンク)が、禁止薬物が含まれる発毛剤を服用し、NPBで初めて違反が発覚。20日間の出場停止処分などを受けた。08年にはゴンザレス(巨人)、リオス(ヤクルト)が禁止薬物で1年間の出場停止処分を受け、ともに球団から契約解除された。11年の井端(中日)は慢性的な眼病治療に服用していたもので、けん責処分と申請に不手際があった球団に制裁金300万円。昨年のアマダーを含めて5人。
◆ジョーイ・メネセス(Joey Meneses)1992年5月6日生まれ、メキシコ出身。27歳。ベローナ高から2011年にブレーブス入団。フィリーズに移籍した昨年、3Aに昇格し、打率3割1分1厘、23本塁打、82打点でMVP、本塁打王、打点王、新人王。191センチ、100キロ。右投右打。年俸1億1200万円。
◇NPBのドーピング検査 国際的なアンチ・ドーピングの流れを受け、07年から本格導入。禁止薬物、検査方法は国際基準と同様で検査日は非公開。17年からは血液検査も実施している。抜き打ち検査が前提で、対象試合は開始1時間前までに当該球団へ通知され、5回終了時にくじ引きでベンチ入り選手から検査を受ける者を選ぶ。違反者への制裁は〈1〉けん責〈2〉10試合以下の公式戦出場停止〈3〉1年以下の出場停止〈4〉無期限の出場停止の4段階。球団関係者が関与した場合は1000万円の制裁金が科される。