東農大北海道、道勢初の決勝進出にあと一歩届かず

9回2死、中前打を放った田辺主将は一塁でガッツポーズ(カメラ・生澤 英里香)
9回2死、中前打を放った田辺主将は一塁でガッツポーズ(カメラ・生澤 英里香)

 ◆報知新聞社後援 全日本大学野球選手権第5日 ▽準決勝 明大5―1東農大北海道(16日・神宮球場)

 2年ぶり出場の東農大北海道(北海道学生)は明大(東京六大学)に1―5で敗れ、北海道勢初の決勝進出にあと一歩届かなかった。

 初回に新宅優吾中堅手(4年)=飛龍高出=の右越えソロで先制するも、2回以降は1安打。1―1の同点で迎えた8回2死三塁、2番手で登板した伊藤茉央投手(1年)=福島・喜多方高=の暴投で勝ち越しを許した。それでも、リーグ戦2連敗スタートのどん底から12連勝で創部初の4強入り。田辺直輝主将(4年)=長野・佐久長聖高出=を中心にまとまったチームが、神宮に大きな爪痕を残した。

 9回2死一塁。最後の打者が三振に倒れると、東農大北海道・田辺主将は空を見上げた。道勢初の決勝進出はあと一歩届かず、「最後の粘りはさすが明治。やっぱ強いですね。自分の力だけではここまで来られなかったし、みんなに感謝したい」。涙はない。1万人の観衆から贈られた温かい拍手が悔し涙も乾かした。

 最後まで王者を追いつめた。初回1死で2番・新宅の右越えソロで先制。1―1の8回2死三塁から暴投で勝ち越しを許すなど、4点のビハインドを背負うも諦めなかった。9回2死、代打・田辺が中前打で出塁。「みんなの思いを背負って打席に立った」と最後までチームを引っ張る姿勢を背中で示した。

 17年秋にOBの三垣勝己監督(39)が就任。だが、樋越勉前監督(現東農大監督)を慕って入学した選手が大半で、昨春と秋を落としたチーム内には動揺が生まれた。周囲からは「監督が代わって勝てなくなった」と心ない言葉も掛けられ、田辺主将は「そう言われるのが本当に嫌。自分が監督を男にする」と誓ってきた。

 嫌われ役も買って出た。控え選手だったためプレーでは引っ張れないが、時には厳しい言葉で仲間にゲキを飛ばした。今春のリーグ戦は開幕2連敗したが、指揮官は「正直、1回気持ちも切れたと思う。ただ、田辺を中心によく立て直してくれた」と、主将の奮闘に目を細めた。

 全日本では1989年の創部以来、初の4強進出。今大会2回戦の大体大戦から3試合連続代打で安打を放つなど、最後はプレーで背中を見せた主将は「農大の歴史を変えることはできたが、まだベスト4。ただ、秋に向けて後輩にいいものを残せたのなら良かったと思う」。2年ぶりの神宮で確かな爪痕を残した。胸を張って網走に帰ろう。(清藤 駿太)

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請