今週の東京競馬で、国枝厩舎の大物2歳牡馬が初陣を迎える。父キングカメハメハの「継承者」として命名されたサクセッションが、16日の東京5R(芝1600メートル)にスタンバイ。国枝厩舎における6~8月の夏デビューは、現役最強牝馬アーモンドアイなど多くの活躍馬が出ている出世の王道。早くも日本ダービーを意識する若駒から目が離せない。
偉大な父を継ぐ馬になってほしいと「継承者」の名を与えられたのは、今週16日の東京・芝1600メートルでベールを脱ぐサクセッションだ。父は、いまや国内の生産界に欠かせない名種牡馬のキングカメハメハ。ネーミングから陣営の期待感がにじみ出てくる。
全兄クルーガーは読売マイラーズC・G2などを制し、今年4月には豪G1のクイーンエリザベスSで豪州の名牝ウィンクスと接戦の2着。490キロ前後の馬体を誇る弟も「しっかりした馬体で男馬らしい馬だよ」と国枝調教師の感触はかなり良さそう。
12日の最終追い切りでは美浦・Wコースでロジギムレット(3歳1勝クラス)を2馬身先行。5ハロン67秒4―12秒9で併入に持ち込んだ。「追い切り後動きはまずまず。能力は水準にある」と指揮官の表情からも期待が見てとれる。
6月の新馬戦では初めて実現した福永騎手と国枝師の組み合わせだが、データ上では最強タッグになる。過去10年の6月の新馬戦で、騎手部門は福永が11勝、調教師部門は国枝師が、手塚調教師と並ぶ最多の6勝をマーク。心強いデータが後押しする。
「ダービーを目指す」と意気込むトレーナーにとっても、2歳夏のデビューは出世の王道。過去には、牝馬3冠を成し遂げたアパパネやアーモンドアイなどG1で結果を残した複数の管理馬が暑い夏場に初戦を迎えた。「継承者」には輝かしい未来が待っている。(恩田 諭)