新人時代の担当記者が語る「先発1勝」にたどり着いた桜井の成長

先発1勝を挙げた桜井(カメラ・安藤 篤志)
先発1勝を挙げた桜井(カメラ・安藤 篤志)

 あれ以来か―。ふと昨日のことのように頭に浮かんだのは、巨人のドラ1右腕のデビュー戦だった2016年3月30日の巨人―DeNA戦(横浜)。あの時は、初勝利までこんなに時間がかかるとは思っていなかった。「また来週投げれば勝てるかもな」と、のんきなことを考えながら、私はハマスタからの帰りの電車で一息ついていたことを、思い出した。

 長い時間に終止符を打ったのが、きのう(6日)のこと。巨人の桜井俊貴投手(25)が6日の楽天戦で、プロ2度目の先発で、7回途中3安打8奪三振1失点の快投を見せ、先発初勝利を手にした。先発のマウンドに立ったのは16年の開幕3戦目以来、1163日ぶり。まさか2度目の先発までここまで時間がかかるとは―。恥ずかしながら、新人時代の桜井と、担当記者として接してきた私には、全く想像がつかなかった。

 巨人のドラフト1位。ドラフト前の注目度はそこまで高くなかったが、立命大から常勝球団に飛び込んだ。先発ローテ入りを目指したキャンプ、オープン戦は順調そのものだった。フリー打撃では浮き上がるような直球を投げて坂本から空振りを奪い、スポーツ報知では「サクライズボール」と名付け、その後も「サクラチェンジ」、「サクラドロップ」、「サクラスプリット」と次から次へと、“魔球”とも言える投球を披露。当時のスタッフも「制球力は菅野の次くらいのレベルかな」と言うほどだった。ドラ1という“看板”もあって、いつの間にか1年目から2ケタ勝利を期待されるような存在となっていた。

 だが、人知れず重圧と戦っていたのも確かだった。入団後、スポーツ紙の1面を何度も飾り「僕なんかでいいんですかね?」と不安そうに心配。練習でも多くのコーチ陣、記者、カメラ、ファンの前で投げるという、経験のない環境に、自然と力も入った。1月の新人合同自主トレから3か月。少しずつ疲労、プレッシャー、ストレスがたまったことで、デビュー戦直後の右肘痛、翌日の登録抹消につながった。

 1年目の新人合同自主トレ中のオフ日には、寮近くのよみうりランドでリフレッシュし、電車を乗り継いで都内の猫カフェにも通った素朴な22歳だった。17年からは私が巨人担当を外れ、成長を見守ることは残念ながら出来なかった。2年目以降は中継ぎへの配置転換を経験し、エース・菅野に直談判して自主トレに同行。背番号も21から36を経て35になるなど、多くの経験が糧になった。長いようで短かった4年目。ようやく、「先発1勝」にたどり着いた。

 今季、桜井を担当する後輩記者から「勝ってスポーツ報知の1面を飾ること」を目標にしていたと聞く。激変した環境に戸惑って不安そうにしていた新人時代から3年。大きく成長して自信がみなぎっているようで、なんだかうれしくなった。(2016年巨人担当・安藤 宏太)

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