巨人1軍ベンチの東海大トリオのしぶとさ…中川、田中俊、大城

東海大の先発左腕だった中川皓太(カメラ・泉 貫太)2015年5月23日撮影
東海大の先発左腕だった中川皓太(カメラ・泉 貫太)2015年5月23日撮影
東海大時代の田中俊太(カメラ・泉 貫太)2014年6月14日撮影
東海大時代の田中俊太(カメラ・泉 貫太)2014年6月14日撮影
東海大で活躍した大城卓(カメラ・泉 貫太)2014年6月15日撮影
東海大で活躍した大城卓(カメラ・泉 貫太)2014年6月15日撮影

 写真部員として巨人を担当することになって約半年あまり。巨人の1軍のベンチ内における東海大出身トリオのしぶとさに日々感心するばかりだ。巨人には原辰徳監督はじめ、現役選手ではエース菅野智之投手に中継ぎ左腕の中川皓太投手、主に二塁が主戦場の田中俊太内野手に打力が売りの大城卓三捕手と4選手が在籍している。現在はエース菅野こそ腰痛で登録抹消中だが、ほかの3人はキャンプ、オープン戦の生存競争を勝ち抜き、開幕1軍メンバー入り。現在も立派な戦力として生き残り続けている。

 なかでも今季意外な活躍を見せていると思うのが、中川だ。開幕から勝ちゲームの中継ぎとしてはもちろん、大勝している試合の終盤や同点、僅差の場面でも登板。チームが51試合を消化する中(成績、数字はすべて6月3日時点)、約半分に当たる23試合に投げ、2勝0敗4セーブで防御率はなんと0・36を記録。なかなか調子の上がらないブルペン陣の中にあってダントツの成績を残している。

 中川を初めて撮影したのは今からちょうど4年前のことだったと記憶している。2015年、首都大学野球春季リーグ戦の最終盤だった。勝てば優勝が決まる帝京大との1戦。取材前の予定では、東海大の先発はこの年のドラフトで日本ハム入りする2014年の全日本大学野球選手権優勝投手・吉田侑樹。帝京大の方は後にNTT東日本を経てこちらも現在は日本ハムに所属する西村天裕のはずだった。しかし現地に到着してから、2人ともがリーグ戦中に故障し、別の先発投手が投げることを知った。カメラマンとしてはドラフト候補を2人とも撮影できず、がっくりしているところへ登場したのが、当時4年生の中川だった。ちなみに相手の帝京大のマウンドに上がったのは変則の下手投げ右腕。これが今季は阪神の先発ローテーションに入って既に4勝を挙げている青柳晃洋だった。2人の投げ合いは中川が制し、優勝をつかんでいる。このチームの正二塁手が、現在もチームメイトの田中俊。社会人野球の日立製作所を経て、巨人で中川と再会を果たしている。

 昨年まで巨人戦を撮影していた時の中川の印象といえば、どこか頼りなさそうな風貌と、打たれてベースカバーに走って行った後の、今にも泣きそうな表情ばかりだ。今年の巨人のブルペン陣はキャンプから熾烈な競争を繰り広げたが、オープンでは同じ左腕で年下の大江竜聖や、育成上がりの坂本工宜などがアピールに成功。撮影する側としても背番号41が1軍の枠に残るとは思ってなかった。それがどうだ。今年は1球、1球声を張り上げながら腕を全力で振りぬくたくましい姿に変身。すっかり印象は様変わりした。この活躍を一番喜んでいるのは、大学の先輩・菅野智之ではあるまいか。自主トレなどで常に自分のそばに中川を置き、時に先輩後輩関係があるかそこの厳しい言葉をかけ、またある時は実戦に即役立つ助言をしていたと聞く。どうか故障だけには気を付けて、この飛躍の1年を忘れえぬものにしていってほしいと願う。

 しぶといといえば、捕手の大城卓三も同様だ。昨季まででようやく1軍定着の足掛かりをつかんだと思ったら、今年は炭谷銀仁朗が加入したり、阿部慎之助は捕手復帰したりと、本人も相当面食らったと想像に難くない。それでも開幕からメルセデスの「恋女房」として先発出場の機会を定期的につかむと、今度はビヤヌエバ、中島宏之らの不調に伴って一塁手の出場機会もゲット。5月26日の広島戦からは6試合連続で「5番・一塁」に座り、途中2試合連続本塁打を記録。私がかつて取材した2014年の全日本大学野球選手権で大会首位打者を獲得し、正捕手として東海大を優勝に導いた力をいかんなく発揮している。ただ、今季のキャンプで大城がファーストミットでノックを受けているシーンというのはほとんど撮影した覚えがない。試合の一塁守備で使用しているファーストミットには「慎之助」の3文字。大きな漢字の刺繍が彼の一塁起用がいかに急なものだったかを物語るが、守備面で目を覆わんばかりの綻びを見せないのは、さすが鍛えられた東海大学野球部出身といえよう。なお大城は中川や田中俊よりひとつ年上の世代となる。

 上記の2014年全国優勝時、1番・二塁にいたのが、3年時の田中俊太だ。今季1度は1軍登録を抹消されたものの、すぐに再昇格してきた。吉川尚輝との正二塁手争いでは打力の差で1番の開幕スタメンを譲ったが、その吉川尚が腰痛で戦線離脱すると、1番打者や二塁手としてだけでなく、ビヤヌエバが外れた三塁も難なくこなすユーティリティぶりを発揮。5月10日のヤクルト戦ではダメ押しの満塁本塁打を記録。日々、ベンチの中での存在感を増していっている。

 かつて、かれらのアマ時代の活躍を何度も撮影してきた身としては、なんともうれしい巨人東海大トリオのしぶとい生き残りぶり。目立たずとも、故障せず常に安定した力を発揮することがいかに大事かを痛感させてくれる3人の今後の活躍を、ファインダーを通して追いかけていきたい。(編集局写真部・泉 貫太)

東海大の先発左腕だった中川皓太(カメラ・泉 貫太)2015年5月23日撮影
東海大時代の田中俊太(カメラ・泉 貫太)2014年6月14日撮影
東海大で活躍した大城卓(カメラ・泉 貫太)2014年6月15日撮影
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