【巨人】育成・高井が「トルネード投法」解禁…杉内コーチの一言が背中押した

高井のダイナミックな投球フォーム。代名詞ともいえる「トルネード投法」の復活を決断した
高井のダイナミックな投球フォーム。代名詞ともいえる「トルネード投法」の復活を決断した
一時はトルネードをあきらめ通常の投球フォームで復活を目指した
一時はトルネードをあきらめ通常の投球フォームで復活を目指した
杉内ファーム投手コーチ(左)の一言が背中を押した
杉内ファーム投手コーチ(左)の一言が背中を押した

 巨人の3軍で奮闘する育成・高井俊投手(23)に迫った。18年の春季キャンプ中に右肘を負傷。長期のリハビリ生活に励み、4月下旬に念願の実戦復帰を果たした。リハビリ中、右肘への負担を考慮して一度は断念した「トルネード投法」を復活させることを決断。胸中を激白した。(取材・構成=小林 圭太)

 悩みに悩んで、決断を下した。高井が代名詞ともいえる「トルネード投法」を解禁した。5月29日、G球場で行われたソフトバンクとのファーム交流戦。体を大きくひねるダイナミックな投球フォームを久しぶりにファンの前で披露した。5回から2番手で登板し、3イニングを1安打無失点5奪三振。圧巻の投球だった。

 「トルネードで投げることができて、やっと復帰したな、という気持ちです。もう大丈夫です。不安なく、投げられています」

 高井はBC新潟から入団。1年目の17年、台湾アジアウィンターリーグ(WL)で、NPBイースタンのチーム事情で途中から参加し4試合、計8回2/3を投げ、8安打1失点、10奪三振、防御率1・27と好投した。波に乗っていたが、18年の春季キャンプ中に右肘を負傷。軟骨の一部などを損傷した。そこから長いリハビリ生活が始まった。

 「これまで野球で投げられなかったけがはなかった。高校の頃とは違って、この世界に入ってみると本当に厳しく、余裕がない。その中で1年2か月は自分の中ですごく長い、苦しい期間でした。良くなったり痛くなったりの繰り返しだったので。痛くなる度に『もう投げられないのかな。野球やめたほうがいいのかな』と何度も考えました」

 リハビリ中、「トルネード投法」での復帰を一度諦めた。体を大きくひねり、遠心力を使って右腕を大きく振ることから、通常のワインドアップなどのフォームより肘に負担がかかるからだ。

 「右肘がもう大丈夫、となったとしても、投げるたびに負担がかかる。やめるのは嫌だったけど、コーチのみなさんと話したり、トレーナーさんの意見も聞いて『ここで全部終わるわけじゃないから、普通に投げてちゃんと肘が問題なく投げられるようになれば、挑戦したらいいんじゃないか』と言われた。去年は投げられていないので、まずは投げることを優先しようと思ったんです」

 3月下旬に投球練習を再開。4月下旬に実戦復帰したものの、オーソドックスなワインドアップでの投球に物足りなさを感じていた。トルネード投法こそ自分の象徴。その思いは募るばかり。約1か月後の5月27日に「トルネード投法」の復活を決断した。

 「普通のフォームでは自分が求めているボールが投げられていないと感じたのと、今年が本当に勝負の年になると思ったから。本来の自分の姿で勝負したいという気持ちになりました。トルネードで評価されて入ったので、自分の持ち味を一つ消すというのはやっぱり嫌だった」

 トレーナーからは心配する声も上がったが、杉内ファーム投手コーチの一言が背中を押した。

 「相談したら『自分の好きなようにやっていいよ』と言ってくださって。その言葉で決断に踏み切ることができました」

 長いリハビリ中、心の支えとなったのがファンの声援だという。自分のトルネードを楽しみに待ってくれている―。

 「ファンのみなさんからの『頑張ってください』とか、両親の『焦らずにやりなさい』と気にかけてくれたことが支えになった。何度も心が折れかけたけど、そういう言葉をもらったり、肘が治って1軍で投げているのを想像すると、やっぱりもう一度、頑張らないと」

 高井は、トルネード投法で1軍で投げる日を夢見て、マウンドに立つ。

 ◆高井 俊(たかい・すぐる)1995年8月22日、新潟・見附市生まれ。23歳。東北高(宮城)では3年夏は背番号10で県16強。卒業後は新潟・悠久山栄養調理専門学校に1年通い、調理師免許を取得。2015年からBC新潟に入団。16年育成ドラフト1位で巨人入団。180センチ、78キロ。右投右打。背番号011。年俸270万円。

 ◆トルネード投法 打者に背中を見せるほど大きく体をひねって投球するダイナミックなフォーム。同投法で投げる代表的な選手として、日本人メジャー最多の通算123勝、日米通算201勝を記録した野茂英雄氏がいる。

高井のダイナミックな投球フォーム。代名詞ともいえる「トルネード投法」の復活を決断した
一時はトルネードをあきらめ通常の投球フォームで復活を目指した
杉内ファーム投手コーチ(左)の一言が背中を押した
すべての写真を見る 3枚

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請