桐生祥秀、10秒05で優勝も「9秒台じゃないとお客さんも喜んでくれない」

桐生の今季100メートル成績
桐生の今季100メートル成績

 ◆陸上 布勢スプリント(2日、鳥取、コカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク陸上競技場)

 男子100メートル決勝で、日本記録保持者の桐生祥秀(23)=日本生命=が10秒05(追い風0・1メートル)で優勝した。予選は大会新記録の10秒04(追い風1・3メートル)をマーク。高水準の記録を2本そろえ、今秋のドーハ世界陸上の代表選考を兼ねた日本選手権(27~30日、福岡)へ弾みをつけた。男子110メートル障害は、高山峻野(24)=ゼンリン=が金井大旺(23)=ミズノ=の日本記録に並ぶ13秒36(追い風1・9メートル)で制した。

 桐生は奮い立った。「9秒台、と思ってスタートに立った」。鋭く抜け出し、中盤以降は力あふれる走りで後続をちぎった。10秒05。「かけっこをする以上、ベストを狙う。(10秒)0台を見ても世間も変わらないし、9秒台じゃないとお客さんも喜んでくれない」と悔しさ交じりに受け止めた。

 有利な追い風に恵まれた予選は、10秒04の大会新だった。17年9月に9秒98を出して以来の9秒台へ高まる期待。自らにプレッシャーをかけた。「あえてドキドキする状況を作った。いい緊張感でやれた」。今大会はライバルが少なかったが、極限の争いとなる月末の日本選手権に向け、緊張感の中で出した好記録は収穫だ。「また一つ、自分の成長を感じた」。土江寛裕コーチも「桐生らしい、暴れるくらいのアグレッシブな走りはできた。予選のような風が吹けば、日本記録前後が出ていた」と評価した。

 世界王者を追いつめたレースからも課題を感じた。5月のセイコーゴールデングランプリ。17年ロンドン世陸王者のガトリン(米国)と0秒01差、10秒01の2位。それでも「最後の20メートルでガタガタになった」と反省した。土江コーチは「腰が入る(上半身が反る)。世界のファイナルに向け、もう一段階足りないということは本人も自覚している」。好走から次の糧を得るのも強さ。「(ラスト20メートルは)セイコーよりうまくいった」と桐生はうなずいた。

 日本選手権は5月に日本勢2人目の9秒台(9秒99)を出したサニブラウン・ハキームら強敵ぞろい。土江コーチは「9秒台の勝負になる」と見通した。桐生は「優勝して世陸の内定を頂きたい」。短い決意の体現に全力を懸ける。(細野 友司)

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請