8強を目指す甲府昭和は昨夏の1勝を経験した3年生がチームを引っ張る。昨年度は最上級生が4人だったため、現3年生もスタメンに名を連ねた。そして、農林との開幕戦で夏2年ぶりに初戦を突破。大舞台で勝つことの喜びを知った副主将の若月親士遊撃手(3年)は「去年、『校歌が歌えて良かった』と言ってもらえました。応援してくれる人のためにも頑張ろうと思います」と目を輝かせた。
今春は初戦で富士学苑に2―5で敗れた。しかし、その後8強まで進んだ同校と7回まで0―1と接戦だったことで、目標達成まで何が足りないかが分かった。エース右腕・渡辺翔太郎副主将(3年)が粘投ができるため、課題は得点力だった。
限られた時間でそれぞれがバットを振る回数を増やすために、春大会以降、朝練ではティーバッティングを素振りに変更。午後もマシンなどを打つ時間を2倍にしたり、連日練習終わりに素振りを行ったりするようになった。主将の宮原啓人二塁手(3年)は「しっかり振って(打球が)飛ぶようになりました」と成長を実感している。
「全員の力が必要。どんな相手でも闘争心をむき出しにしていければ」と渡辺。前回以上の歓喜を求めて、日々鍛錬していく。(古川 浩司)
◆3年マネ2人支えた
甲府昭和の3年生マネジャー2人は、1学年上の先輩が不在だったため、約2年間“最上級生”としてチームを支えてきた。「2人だったから続けてこられました」と原季花さんは振り返る。夏大会では交互にベンチで記録員を務める予定となっており、辻和佳奈さんは「(2人ともベンチに入れるように)勝って欲しいです」と思いを選手たちに託した。