伊藤雅雪、完敗で王座陥落「言い訳はできない」…WBO世界スーパーフェザー級

伊藤雅雪
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◆プロボクシング ▽WBO世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○同級9位ジャメル・ヘリング(判定)王者・伊藤雅雪●(25日・米フロリダ州キシミー、オセオラヘリテージパーク)

 WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(28)=横浜光=が2度目の防衛に失敗した。12年ロンドン五輪出場経験がある同級9位ジャメル・ヘリング(33)=米国=のテクニックに翻弄され、攻略の糸口を見つけられず、0―3の判定で敗れた。昨年7月にタイトル獲得に成功した同じキシミーで、痛恨の王座陥落劇となった。伊藤の成績は25勝(13KO)2敗1分け、新王者のヘリングは20勝(10KO)2敗。

 完敗は明らかだった。試合終了のゴングが響き、ヘリングが勝利を確信するガッツポーズをした後、伊藤も力なく両手を挙げた。「言い訳はできない。自分が足りなかった。失望した」と目からは涙があふれ、ふがいない自分を責めた。

 初回から178センチの長身サウスポーの長い右ジャブを浴び続けた。「もっとファイトしてくると思った」。体格差を生かし、距離を取ってきた相手に中盤から接近戦を仕掛けたが、近づこうとするとカウンターを食らい、得意の右を当てても、クリンチで連打を寸断された。「左ボディーがうまかった。なかなかもう1発、2発を当てさせてくれなかった。一発も効いたパンチはなかった」と最後まで空回りさせられた。

 試合地のキシミーは昨年7月に日本選手37年ぶりの米国での世界王座奪取の快挙も遂げた思い出深い場所。一方のヘリングはかつて米海兵隊に所属し、イラクに2度派兵された経験があり、また、この日は戦没将兵追悼記念日とあって、会場には軍服姿の観客も目立った。終盤、逃げ切りを図る挑戦者に歓声が後押し。伊藤にとって、やはり米国は完全なる敵地だった。

 4月に米プロモート大手「トップランク」と年間3試合3年の契約を結び、今月22日付で横浜光ジムに移籍。また勝者には、2017年7月に元WBC王者・三浦隆司にも勝利したWBC王者ミゲル・ベルチェルト(メキシコ)との団体統一戦が用意されていたが、伊藤のビッグマッチは幻に。この一戦が持つ重要性はとても大きかった。

 甘いマスクに似合わないタフなファイトで米国で名前を売った。伊藤は「何を残せるか、どんなことができるかを考えてやってきた。これが現実とは思いたくない」とタイトルを失った無念さをにじませた。

 ◆伊藤 雅雪(いとう・まさゆき)1991年1月19日、東京・江東区生まれ。28歳。本名は「雅之」。小学6年から駒大高時代までバスケットボール部でプレー。駒大1年時の2009年5月にプロデビュー。12年に全日本スーパーフェザー級新人王を獲得。15年に東洋太平洋同級王座獲得。18年7月にWBO世界スーパーフェザー王座奪取に成功。身長174センチの右ボクサーファイター。家族は夫人と2女。

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