今年の箱根駅伝で初優勝した東海大の主将で、17、18年の日本選手権1500メートルを連覇した館沢亨次(4年)が来春、卒業後の進路先としてDeNAに絞ったことが23日、分かった。複数の実業団チームが興味を示す中で、中距離に専念できる環境が整ったDeNAで競技を続ける意思を固めたようだ。
日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダー(62)が総監督を務めるDeNAは昨年、駅伝競技から撤退し、それぞれの選手が得意とする種目に集中して取り組むことを決定した。館沢は、DeNAの強化方針に共鳴し、最終的に進路先を絞ったとみられる。
1500メートルで2年連続日本一に輝いた館沢は、今年の箱根駅伝4区(20・9キロ)でも区間2位と力走し、東海大の初優勝に大きく貢献した。オールラウンドの能力を持つ男が最も得意とするのは、やはり1500メートル。来季以降、抜群のスピードと勝負強さを武器に中距離ランナーとして世界に挑むことになる。23日、神奈川・相模原市の相模原ギオンスタジアムで行われた関東学生対校選手権男子1部1500メートル予選でも強烈なラストスパートで1位突破。大会3連覇がかかる24日の決勝に向けて弾みをつけた。
館沢は東海大に入学以来、学生3大駅伝に皆勤出場(9回)。1年時の箱根駅伝5区13位を除き、区間賞3回、区間2位5回と抜群の成績を残す。今シーズンを最後に駅伝を“卒業”し、箱根の山とは別の山を目指す。
◆館沢 亨次(たてざわ・りょうじ)1997年5月16日、横浜市生まれ。22歳。埼玉栄高3年時の15年全国高校駅伝1区6位。16年、東海大体育学部競技スポーツ学科入学。17、18年の日本選手権1500メートル連覇。自己ベストは1500メートル3分40秒49、5000メートル13分48秒89。学生3大駅伝は皆勤出場。1年時の箱根駅伝5区13位を除き、区間賞3回、区間2位5回と9回中8回が区間2位以内。173センチ、62キロ。