イケメン王者の伊藤雅雪が25日に米国でV2戦 「攻めの姿勢が重要。時には強引に…」山中慎介氏が展望語る

昨年7月にディアスを下し米国での世界王座奪取に成功した伊藤雅雪。再び米国で勝てるか
昨年7月にディアスを下し米国での世界王座奪取に成功した伊藤雅雪。再び米国で勝てるか

◆プロボクシング ▽WBO世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・伊藤雅雪―同級7位ジャメル・ヘリング(25日、米フロリダ州キシミー)

 WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(28)が25日(日本時間26日)に米国フロリダ州キシミーで、同級7位のジャメル・へリング(33)=米国=を挑戦者に迎え、2度目の防衛戦に臨む。伊藤にとって、キシミーは昨年7月に戴冠を果たした、ゲンのいい場所。へリングは2012年ロンドン五輪に出場した実績を持つ長身サウスポーなだけに楽観視できないカードと言える。この注目ファイトの見どころを元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏に聞いた。

 ―伊藤は昨年7月に無敗のホープのクリストファー・ディアス(プエルトリコ)からダウンを奪い、大差判定で下し、世界タイトルを獲得した。

 山中「試合前、伊藤選手は『積極的に行く』と言ってましたが、正直、本当に行けるのかどうか疑問に思っていたところはあります。でも、予想以上に積極的に攻めて出たので驚きました。以前とは気持ちが違ったんでしょう」

 ―昨年12月に東京で行われた初防衛戦で7回TKO勝ち。成長は感じられたか。

 山中「世界タイトルを獲得した時よりも、さらに強くたくましくなりましたね。自信をつけたこともあって、一段と成長して凄みを増したと感じました。自分で志願して海外でトレーニングしているほどなので、本当に強くなりたいという思いがあるんでしょう。その強い気持ちがリングの上でも出ていますね」

 ―伊藤はどんなボクサーか。

 山中「まず見た目がイケメンですよね(笑)。で、ボクシング以外では優しい性格です。ボクシングに関しては東洋太平洋チャンピオン時代もシャープな面はありましたが、最近はそこに攻めて出る姿勢と力強さが加わりました」

 ―攻めて出る姿勢、とは具体的に?

 山中「最近の世界戦2試合は気持ちが前に出ているので、以前よりも重心が少し前にかかるようになっているんですよ。それがパンチに伝わる力になっているので、重み、威力、強さや凄みにつながっているんです。前に出ながら繰り出すパンチと下がりながら打つパンチでは体重の乗り方が違いますからね。それに伊藤選手は世界王者という現状に満足していないし、もっと上に行きたいという思いが見えますね。だからキラキラしているじゃないですか」

 ―伊藤はアマチュア経験がなく、プロデビューした。潜在的な能力が高いか?

 山中「まだ28歳でしょう? 今の時代でアマチュア経験がないまま、ここまで来るだけでもすごいことだと思う。特別な運動能力、センスがあるんでしょう。まだ開発されていない能力、伸びしろがあると思います」

 ―アマチュア経験がない不安な面は?

 山中「サウスポーとの戦い方に関してはどうなのか、そのあたりが気になります。アマ出身者の場合、仮にプロでサウスポーとの対戦経験が少なくても戦い方に慣れていることが多いものなんです。でも、アマ経験がない選手の場合、サウスポーとの戦い方に不慣れなことがある。これまでに伊藤選手がどれだけ力のあるサウスポーと戦ってきたか、そしてどう戦うか、そのあたりが気になりますね」

 ―今回の相手、へリングは長身のサウスポーだ。

 山中「しかもオリンピックに出場している。長身サウスポーというだけで戦いにくく敬遠されがちなのに、加えて五輪に出ているほどの実力者というわけですから、ちょっと厄介かもしれない」

 ―山中さんも長身サウスポーでした。自分よりも少し背の低い右構えの選手との試合は何が鍵になるか。

 山中「僕の場合は距離を一番大事にしていました。こちらのパンチは当たるけれど相手のパンチは届かない、その距離から踏み込んで打つわけです。右構えの相手との試合では利き手、つまり僕の左手、相手の右手を気にして戦いました。すでに構え合ったときの位置は相手の左フックが当たらない距離なので、踏み込んで打ってくる右を警戒しました。へリングが僕と同じスタイル、考えかどうかは分かりませんが…」

 ―伊藤は何に注意すべきか。

 山中「伊藤選手にとってへリングは戦いにくいタイプかもしれないけれど、攻めていく姿勢が重要になるでしょうね。まして伊藤選手は注目されている中でアピールしたいはずなので。警戒する相手のパンチとしては、右ジャブから絶妙なタイミングで放たれる左ストレートでしょうか。その左に注意しながら、パンチの軌道やタイミングを見極めて攻めていくことが要求される試合になると思います。時には強引に攻めて出なければいけない場面もあるかもしれません」

 ―伊藤対ヘリング戦は26日午前11時からWOWOWライブで生中継される。伊藤選手にエールを。

 山中「スーパーフェザー級には海外でも人気と実力のある選手が集まっているので、伊藤選手はただ勝つだけではなく内容も問われる立場になっている。だから『また伊藤の試合を見たい』と思わせるような戦いをしてもらいたい。彼はワシル・ロマチェンコ(WBA&WBO世界ライト級王者)との対戦を目標にしているんでしょう? その目標設定はすごくいいと思います。ロマチェンコの名前を出した時、伊藤選手はすごくギラギラしていましたから。強がっているのではなく、ワクワクしている感じでした。挑戦する気持ちを忘れていない証拠だと思います。だから、今回もみんなの期待に応えるような勝ち方をしてほしい」

 伊藤雅雪VSヘリングは26日11時よりWOWOWで生中継!

 同日20時からは、久保隼、木村翔のダブルタイトルマッチも先行ライブ配信。詳細はこちら

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