【日本ダービー 坂本がJRA競走馬総合研究所に潜入】ディープインパクトの走りが理想!坂本の注目馬はダノンキングリーとシュヴァルツリーゼ

力強いフットワークで共同通信杯を制したダノンキングリー
力強いフットワークで共同通信杯を制したダノンキングリー

◆第86回日本ダービー・G1(5月26日・芝2400メートル、東京競馬場)

 強い馬の“条件”とは何なのか―。令和最初のダービー馬を探し求め、坂本達洋記者が「JRA競走馬総合研究所」(栃木県下野市)に潜入。動作解析を用いたダービー馬研究の実態に触れた。これまで記憶、経験、勘を頼りに予想していた坂本記者が、同研究所で吸収した“科学的視点”を踏まえたうえで2頭をピックアップした。

 何が何でも当てたい令和最初の日本ダービー。そこで情報を探っていると、過去のダービー馬の動画データを蓄積して動作解析している組織の存在をキャッチした。百聞は一見にしかず。的中の“秘策”を求め、栃木・下野市のJRA競走馬総合研究所へ向かった。

 1959年に設立された同研究所は、馬に関する運動科学や医学など多岐にわたる研究を行っている。動作解析によるダービー馬の研究を始めたのは、平成を代表する名馬ディープインパクトが「空を飛んでいるような走り」と評されたことがきっかけ。当時は運動科学研究室の研究員で、現在は臨床医学研究室長の高橋敏之氏は「スターホースが登場した時に、ファンの皆さんに“こういうところがすごい”と解説するため」と狙いを教えてくれた。

 動画データは、主に競馬場のゴール前地点の真横から定点で観測している。馬場や展開に左右されるため、常に「MAXの走り」が撮影できるとは限らないが、ディープインパクトの走りは、別格だったという。

 高橋氏「速度(メートル/秒)は、ピッチ(1秒間に何歩走れるのか)×ストライド長で計算します。菊花賞のデータでは、1歩のストライドが平均7・08メートルに対して、ディープは7・54メートルで一番長かった。楽勝の時は8メートルを超えるくらいで、ストライドを重視するタイプだと、数字からも読み取れました。セクレタリアト【注】が同じような走りだったという海外の論文データもあり、速く走る馬は体を伸ばして走る傾向が分かります」

 さらに聞くと、ディープが空中にいる時間は0・124秒で、平均値0・134秒より短い。実は“飛んでいなかった”という。また、2本の脚が地面に同時に着いている時間も平均値より短く、飛んでいる距離は長いがその時間は短いという、うまく体を伸ばして効率のいい走りこそが速い馬の特徴と分かった。

 高橋氏「一方でオルフェーヴルは、良馬場の菊花賞の時にストライドは全体の5、6番目くらいでも、ピッチ数が1秒間に2・38回と抜群に脚の回転数が速い“ピッチ重視型”でした。でも、その前の不良馬場のダービーは、普通の馬はストライドが短くなりスピードが遅くなるんですが、馬場が悪くなってもストライドが維持できていた。バランスを保てるからか、滑る馬場でも対応できることが分かりました」

 凱旋門賞でも好走したように、欧州の深い芝にも対応できた理由に思わずうならされた。時代を代表する名馬は、やはり特徴が表れるものなのだ。

 そこでチェックすべきポイントを聞くと、「基本的にはディープインパクトのように、大きくストライドを伸ばす馬がいい走り方だと思います。特に良馬場の皐月賞やトライアルレースで、腰を使えて体を伸ばして走れている馬は、仕上がった“大人の走り方”ができているということ。良さそうな馬を見分けるポイントなのかな、と思います」とアドバイスをもらった。

 以上の点から、あくまで私の独断による“坂本ジャッジ”で2頭の気になる馬が浮かび上がった。まずはダノンキングリー。直線の内から抜け出した共同通信杯は、後肢がしっかりと前に出て踏み込み、ほれぼれするフットワーク。続く皐月賞で頭、鼻差の3着に食い込んだ走りも、大きなストライドで脚を伸ばし、“理想的”と感じた。

 もう1頭はシュヴァルツリーゼ。こちらはキャリア3戦と本当に良くなるのは先かもしれないが、道悪の報知杯弥生賞で見せたギアの上がり方、跳びの大きさが目を引いた。こちらも注目したい。きっと読者の皆様もピンと来る馬がいるはず。独自の分析にチャレンジしてはいかがでしょうか。(坂本 達洋)

 【注】米国競馬史上にさん然と輝く名馬。圧倒的な強さで3冠を制し、ケンタッキーダービーの勝ち時計1分59秒4は今も破られていないレースレコード。

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