【佐藤優コラム】「暴言」丸山議員は早期辞職を

 ビザなし訪問で北方領土の国後島を訪れた丸山穂高衆議院議員が11日夜に「友好の家」で酩酊(めいてい)し、戦争により北方領土を返還することについてどう思うかなどと大騒ぎしたことが問題になっている。

 本件は酔っ払いの暴言では済まされない。酩酊した丸山氏は「決まりに反して友好の家の敷地から出ようとした」という。丸山氏が友好の家の敷地外に出て、大声でわめき散らしていたら、酩酊者としてロシア警察に保護された。

 そこで、警察官に丸山氏が北方領土を戦争によって取り返すという趣旨の話をしたならば、逮捕された可能性がある。ロシアでは、戦争をあおる行為が刑事犯罪とされているからだ。

 日本としては、ロシアの管轄権行使を認めるわけにはいかない。従って、丸山氏の即時釈放を要求することになる。日本では戦争をあおる行為は、言論の範囲に留(とど)まるならば、法的責任は生じない。日本政府が、戦争による北方領土問題解決の可能性を主張する丸山氏を守らざるを得ない状況が生じたならば、ビザなし交流をロシアは止めた。また、北方領土交渉も停滞した。

 しかし、丸山氏は自分がしでかしたことの深刻さを理解していない。国会で丸山氏の議員辞職勧告決議を提出する動きがあるが、本人は<また今多くの方に北方領土や防衛についてどうあるべきか考えて頂けている中、これ以上荒立てるつもりはないのだが。議会案件で言われたまま黙り込むことはしない。その機に国内、国外へ向けて様々発信で申し述べるし、可決されようがされまいが任期を全うする>(5月15日ツイッター)と開き直っている。ちなみにガルージン駐日ロシア大使から鈴木宗男氏にも「丸山穂高先生の発言をどうとらえればよいか」と照会があったので、鈴木氏は「常軌を逸した人間が酩酊した上での暴言なので、政治性はない」と説明したとのことだ。

 ガルージン大使が本国に鈴木氏の見解を伝えたので、ロシアは激しい反応をしていないのだ。丸山氏のような輩(やから)は一刻も早く政治家を辞めるのが国益にかなうと思う。(作家、元外務省主任分析官)

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請