新品種シャクヤク開花、命名「令和」も米国の団体に認定を申請する理由は…

新品種の芍薬「令和」。見頃に近づくと花びらは剣先のように鋭くなり、白とピンクのグラデーションも深まる
新品種の芍薬「令和」。見頃に近づくと花びらは剣先のように鋭くなり、白とピンクのグラデーションも深まる

 茨城県つくば市の「つくば牡丹(ぼたん)園」で、改元を機に命名された新品種の芍薬(しゃくやく)「令和」が13日から14日にかけて開花した。平成元年(1989年)オープンの同園で、関浩一(ひろいち)園長(58)の22年間にわたる研究の成果が新時代に花開いた。

 これから始まる新時代を象徴するような真っ白な花びらが、そよ風に揺れていた。ついに開花した1株の「令和」は約800種、計6万株もの牡丹や芍薬が咲き乱れる園の片隅で静かな存在感を放っていた。

 高さ約80センチ、花びらの横幅約15~20センチ。通常の芍薬はそれぞれの花びらが丸みを帯びているが、新品種「令和」は花びらが重なって咲く「八重咲き」で細く鋭い。見頃に近づくほど根元のピンクと白のグラデーションが鮮やかになる。

 新元号は万葉集に残された「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」という序文から取られた。新品種の命名者、関園長は「春に咲く花なので『初春の令月にして―』という由来にもピッタリだなあ、と。咲くかどうか分からなかったので、安堵(あんど)感でいっぱいです」と笑顔を浮かべる。「プレスリリースも出していたので、内心焦ってたんです…」。農林水産省の品種認定では名称に元号は認められないため、米国の団体に認定を申請する意向だ。

 過去、芍薬だけで約80株もの新品種を誕生させてきた関園長が今回の「令和」につながる品種の交配に着手したのは1997年頃。200分の1の確率でしか1株が育たない悪条件に挑み続け、3年前に初めて開花。以降は名無しの花だったが、新元号を機に「令和」と命名した。「来園者の皆様の令和時代が花開きますように、という願いを込めました」

 牡丹園の開園期間は26日まで。今週末にかけて見頃を迎えるが、関園長は「花びらの様子や色は毎日変わります」と語る。花も時代も、時とともに変化していく。(北野 新太)

 ◆芍薬(しゃくやく) ボタン科。宋代の中国に起源があるとされるが、近代に日本や欧州でも楽しまれるようになった。開花は5月中旬~下旬。色は白、ピンク、赤色。牡丹と似ているが、より花びらに丸みを帯びている。根元や花びらを乾燥させたものは漢方や茶にも使われる。

 ◆令和と命名されたもの

 ▼小惑星 彗星(すいせい)を捜索する高知市のコメットハンター・関勉さんが30年前に発見していたものを「令和の星」と命名

 ▼日本酒 福島県会津坂下町の豊国酒造が純米吟醸酒「令和」を販売

 ▼トンネル 長野県伊那市の国道153号で7月に「令和伊那トンネル」が完成予定

 ▼サル 大分市の高崎山動物園で今月6日に誕生した赤ちゃんザルは「レイワ」に

 ▼桜 仙台市宮城野区枡江地区の住民が地元の与兵衛沼公園に立つしだれ桜を「令和桜」に

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請