カヌー・羽根田卓也、新時代・令和の一文字には「応」…リレーコラム

羽根田卓也
羽根田卓也

 今回からコラムニストに加わった羽根田卓也です。令和が幕を開けました。先日のスポーツ報知の企画のように、僕が新時代に向けた一文字を選ぶなら「応」にしたいと思います。

 これは皆さんの期待に応える、という思いを込めた「応」です。僕は東京五輪でのメダルを「ノルマ」と考えています。もちろんメダルは自分自身の目標でもありますが、皆さんが今までになく注目してくださっているのは、リオ五輪の銅メダル以上の結果を、という期待の裏返しだと思っています。応援に応えるには結果を出すしかない。これは夢とか目標とかではなく、責務、使命だということです。

 今、もう一つ大事にしているのは「無」という文字です。

 「無になる」というと、精神的なことに聞こえるかもしれませんが、まずは技術的なことです。スラロームで一番大切なのは、いかにカヌーをスムーズに速く進めるか。昨季はカヌーに乗る姿勢やパドルの入れ方、細部の一つ一つに執着し過ぎて、結局いろんなことがバラバラになった感じでした。ですが、意識しなくても今まで培ってきたものはあるし、感覚も残っているはず。だから、何も考えずカヌーを進めることに集中したらいいんじゃないか…。そういう意味の「無」です。

 より精神的な意味もあります。スロバキアに暮らして13年になりますが、若く未熟なときは、勝つために頭をひねりたがっていました。戦略とか、いろんなことを考えて、どうにか結果を出そう、うまくなろう、と。しかし本物と触れ、年を重ねるうち、頭をひねる無意味さを痛感するようになりました。本当の力はレースの前に養われるもので、地道な努力の積み重ねこそが一番の自信になる。レース当日やその前の数日間に頭をひねっても、何も変わらないんです。ここ数年は、余計なことを考えなくても臨める、シンプルでいられる強さを求めています。

 今もスロバキアでトレーニングを積んでいます。平成最後の五輪では初のメダルを獲得できました。令和初の五輪ではさらにいい結果を出せるよう、頑張るだけだと思っています。

 ◆羽根田 卓也(はねだ・たくや)1987年7月17日、愛知県生まれ。31歳。小学3年でカヌーを始め、杜若高を卒業後、単身スロバキアに渡る。2009年、コメニウス体育大に進学、同大学院を卒業。16年リオ五輪カヌー・スラローム男子カナディアンシングルで銅メダルを獲得。175センチ、70キロ。ミキハウス所属。

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