【ロッテ】角中、1000安打達成秘話 独立Lテスト不合格なら消防団に入ってた!?

6回2死一、二塁、右前安打を放ち、通算1000安打を達成した角中勝也
6回2死一、二塁、右前安打を放ち、通算1000安打を達成した角中勝也

◆ソフトバンク4―2ロッテ(11日・ヤフオクドーム)

 ロッテの角中勝也外野手(31)が、独立リーグ出身選手として初のプロ通算1000安打をマークした。プロ通算297人目の快挙となった。

 角中が快音を響かせたのは2―3の6回だった。2死一、二塁で千賀の直球を右前に運んだ。記念のボードを掲げるとスタンドからは「角中コール」が巻き起こった。

 通算990試合目での到達に「ありきたりですけど、入団した時はまさかここまで打てるとは思いませんでした。というコメントが一番似合う選手じゃないかと思います。独立リーグから育成する選手として入って、個人的には特別うれしいという思いはないですけど、今まで応援してくれた人たちが喜んでくれることが一番うれしい。1000試合出場より先に打ててよかったです」と、縁した人々を思いながら感謝の思いを口にした。

 8日に999安打目を放って以降17打席目でようやく生まれた難産の一打に「周りはすごく(早く打てと)言ってましたけど、自分は何とも思っていなかった」と淡々。試合に敗れたため、「負けた悔しさの方が大きいです」と、記念の試合を白星で飾れなかったことを残念がった。

 ベースに覆いかぶさるように立ち、無駄のないシャープなスイングで安打を量産してきた。2ストライク後は両足を大きく開き、ノーステップ打法で粘りの打撃。簡単には三振せず、通常では捉えられないような球もヒットゾーンに運ぶオンリーワンの打撃は、ネット上で「変態打ち」「変態打法」と呼ばれてきた。

 そんな打撃の基礎は少年時代に築かれた。父・稔さん(61)が四隅に投げ込むボールをひたすら打ち込んだ。素振りをする際も数は求められず、相手投手をイメージしながら集中して振ることだけをたたき込まれた。父からは「才能はあるけど、努力しないと生きていけないぞ」と口を酸っぱく言われ続けてきた。

 日本航空第二(現日本航空石川)を卒業後、四国IL・高知にテスト入団した。巨人などで活躍した藤城和明監督(当時)はグラウンドで躍動する角中を見て「開幕・1番で使う」と評価され、才能を見いだされた。仮にテストが不合格なら「地元の消防団に入るか、実家の家業を継ぐことになっていた」(稔さん)という。角中自身も「独立リーグがなかったらNPBに入ってない可能性の方が大きい」とプロへの道を開いてくれた四国ILの関係者にも感謝した。

 記念の一打を打った後には一塁上でソフトバンク・内川から「おめでとう」と祝福された。「ウチで言えば井口監督や福浦さん。2000安打を打つ人は普通じゃなねえなと思いました」と苦笑い。最後は「(2000安打は)そこまでは無理だと思うのであと500本目指して頑張ります」と角中節で締めた。あくまで“通過点”と捉え、これからも勝利のために安打を積み重ねていく。(長井 毅)

 ◆角中勝也(かくなか・かつや)1987年5月25日、石川・七尾市生まれ。31歳。相馬小1年から野球を始め、田鶴浜中では金沢シニアで3番・左翼手として全国大会に出場。日本航空第二(現・日本航空石川)から、06年に四国アイランドリーグ・高知にテスト入団。同年の大学・社会人ドラフト7巡目でロッテに入団した。12年には打率3割1分2厘で首位打者、ベストナイン。16年には同3割3分9厘で首位打者、最多安打、ベストナインに輝いた。12年以降は7年連続で年間100安打以上をマーク。年俸1億3100万円。

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