武藤敬司、「プロレスリング・マスターズ」を語る「辞めたレスラーにも、オファーしてみんな口説くよ」…5・10「さよならムーンサルトプレス」刊行 

「さよならムーンサルトプレス」
「さよならムーンサルトプレス」

 今年でデビュー35年を迎えるプロレスラー武藤敬司(56)のノンフィクション「さよならムーンサルトプレス」(福留 崇広著。税込み1944円)がイースト・プレスから全国の書店で10日に発売された。

 両膝の人工関節設置手術のため昨年3月14日に最後のムーンサルトプレスを舞った武藤。同書は、直後の4月にスポーツ報知のホームページで34回に渡り連載した「さよならムーンサルトプレス」を書籍化したもので、執筆したメディア局コンテンツ編集部の福留崇広記者が武藤自身へ合計15時間あまりに及ぶインタビューを敢行。同時に同日入門でライバルでもあり親友の闘魂三銃士の蝶野正洋、全日本時代の和田京平レフェリー、元UWFの前田日明氏、90年代に日米で爆発的な人気を獲得したユニット「nWo」を発案したエリック・ビショフ氏ら関係者およそ30人を取材し、昭和末期から平成のプロレスで必殺技「ムーンサルトプレス」を武器にトップを走った武藤敬司の「真実」を浮き彫りにしている。

 武藤は、6月26日に後楽園ホールで開催される長州力引退興行「POWER HALL2019~New Journey Begins」で1年3か月ぶりの復帰戦を行う。試合は、藤波辰爾、真壁刀義と組んで、長州、越中詩郎、石井智宏と対戦する。このほど、発刊を前に武藤が「Web報知」の取材に応じ、復帰戦を控えた現在の心境を明かした。「武藤敬司、●●を語る」と題し3日連続で連載。最終日は、自身が主宰する「プロレスリング・マスターズ」について語った。

 武藤の人工関節設置手術は、昨年3月30日に東京・足立区の苑田会人工関節センターで行われた。「さよならムーンサルトプレス」では執刀した杉本和隆病院長を取材。人工関節設置手術の世界的権威の同院長が武藤の両膝の現実と手術時に分かった思わぬ秘話を明かしている。およそ1年に渡るリハビリとトレーニングを経て、あとは6月26日の復帰戦へ練習もラストスパートに入っている。人工関節となった両膝の状態はどうなのだろうか。

 「日常生活においては、まったく痛みはなくなりましたよ。もう杖を付いて歩くこともなくなりましたよ。ただ、空港では金属探知機に反応するから、人工関節を入れているっていう証明書みたいなものを持たないといけないんだよ。生活面ではいいんだけど、リングに上がるとなるとどうなんだろうっていうのはあるよね。何しろ、もはや親から授かった膝じゃないわけだからね。膝の痛みは消えたけど、今までは、足を引きずりながら歩くことに体が慣れてしまっていたわけだから、歩くフォームも変わって今度は腰を痛めたりとか股関節が痛かったりとかありますよ」

 膝を悪化させた2000年ぐらいから試合時は、WCW参戦時に専門家から特別に巻き方のアドバイスを受けたテーピングを施しリングに上がっていた。試合前の控室で付け人のサポートを得ながら1時間もかかっていたという。

 「もうテーピングはしない。その代わり、サポーターを特注で作ったよ。技術者と試行錯誤しながら作ったんだけど、最初は、すごい重くて、着けるとロボットみたいな動きになってね。何回か改良して金属を入れないで、強度は弱くなるけど、動きやすいサポーターができましたよ。ここから試合までまだまだ誤差を埋める作業が必要だよ。日々努力の延長ですよ」

 武藤は、現在、「WRESTLE―1」の会長を務める一方で2017年2月からレジェンドを集めたイベント「プロレスリング・マスターズ」を主宰している。今年も2月15日に後楽園ホールで開催し前田日明氏のセコンド復活、蝶野正洋の登場などで超満員札止めの観衆を集めた。今後も「マスターズ」の開催には強い意欲を示した。

 「マスターズってぶっちゃけ、プロ野球でもあるけど、一線を退いた人がやっているからね。ゴルフでもある意味、現役を終えたシニアツアーがあるよね。だから、プロレスにだってそれがあっていいとオレは思っているんだよ。マスターズってそういう考えですよ。馳(浩)先生だって引退している。引退する長州(力)さんだって一度は引退して復活している。だから、マスターズの世界において引退ってこだわりはないよ。プロ野球がそうであるように、マスターズに出たからって復帰って言わないよ。だから、オレは辞めたレスラーにも、オファーしてみんな口説くよ。別に、そこにチャンピオンシップがあるわけじゃない。見てくれている人に、まだオレたちも頑張っているよってメッセージを送って、それを見たおっさんたちも、もしかしたら疲れている時代かもしれないけど、そこに元気を与えられればいい。そう思っているんですよ」

 リングから離れている間にプロレスへの情熱がさらに燃え上がらせた武藤敬司。6・26の復活以降、どんな新しい扉を開けてくれるのだろうか。再び挑戦の日々が始まる。(終わり)

(取材・構成 福留 崇広)

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