【巨人】金伏ウーゴ氏、3軍通訳に転身 夢は1軍通訳「一緒に上を目指して一歩ずつ進みたい」

プロ野球選手から通訳へ。第二の人生で奮闘中のウーゴ氏
プロ野球選手から通訳へ。第二の人生で奮闘中のウーゴ氏
巨人時代のウーゴ氏。育成から支配下登録を勝ち取ったが1軍登板はなかった
巨人時代のウーゴ氏。育成から支配下登録を勝ち取ったが1軍登板はなかった

 今季から巨人の3軍通訳として新たな挑戦に臨んでいる金伏ウーゴ氏(29)に単独インタビュー。かつて巨人にも在籍し、その後、独立リーグを経て、今年から再び巨人の一員となった。現役を引退し、通訳という新たな道を選び歩んでいる「今」を大いに語った。(取材・構成=小林 圭太)

 プロの舞台も経験したウーゴ氏が今季から新たな挑戦に臨む。ルートイン独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスのユニホームを脱いだ後、かつて在籍した巨人で通訳として第二の人生を歩むことを決意した。

 「現役を引退することを決断した直後は自分の中ではまだ何も決まっていなかった。そんな中、球団の方から声をかけてもらったのがきっかけでチャレンジしようと決めました」

 16年10月に巨人から戦力外通告を受けたが、現役続行を決意し、同年の12球団トライアウト(甲子園)を受験。「現役続行したい」という思いから、栃木ゴールデンブレーブスに入団した。それだけ野球好きな男だっただけに、現役を退く覚悟を決めるのには時間がかかった。

 「すぐには決断できなかった。野球はまだできる状態だったし、独立リーグの他のチームからのオファーもあった。それを断っても、通訳という仕事をやるべきなのかどうか、すごく迷った。でも、自分の年齢とこの先のことを考えた時に、『挑戦してみようかな』という気持ちに傾いていきました。大きな決断でした」

 現役時とのギャップも感じる。本音を漏らした。

 「言葉遣いや敬語とかには、すごく気を付けている。そして今は自分のことだけじゃダメ。担当している選手のことを第一優先に考えている。言葉を訳す時にも、どういう形で訳したらうまく伝わるのかな、と考えながらやっています」

 元プロ野球選手から裏方への転身。自分はもう「選手ではない」と割り切って、選手と接している。

 「相手の機嫌や気持ちを考えながら会話をするように心掛けています。選手との距離感は難しい。仲良くしすぎるのは、よくないと思うんです。僕はもう裏方。現役選手とは立場が違うので、一線を引かないと。それでも選手との関係を崩さないように、いい距離感を保つことを意識しています」

 現在は、3軍の通訳として主に今季新加入した育成のモタ、ラモスを中心とした外国人選手を担当している。日本語とスペイン語とポルトガル語を主に使いこなし、伝達役を担う。

 「ずっと一緒に行動するし、担当している選手たちが活躍してくれるのはすごくうれしい。それが今の僕のやりがいです」

 自身も投手だったことから、今に生きることは多い。ただ、自分はコーチではないということを強く自覚している。

 「ラモスやモタは僕に気になったことを聞いてきます。ラモスは同じ投手というのもあり、特にね。それはうれしいこと。でも僕はコーチではないので、指導はしない。ただ、『こうしたらいいんじゃない?こう見えるよ?』と客観的なアドバイスはするようにしています」

 ラモス、モタからは公私ともに頼りにされている。直接会話もできる、さらに元プロの舞台で投手としてプレーしていたということは彼らにとっても頼もしい。

 「ラモスはスライダーのリリースポイントはここでいいかな?早すぎるかな?とか、球の回転はどう見える?とか聞いてきますね。モタは打席に立つ時に脇が開いていないか?というようなことを、よく聞いてきます」

 選手に寄り添い、信頼を得ながら、毎日を共にしている。夢は担当している選手たちとともに1軍の舞台に立つことだ。

 「今はすごく楽しいですし、充実した毎日を送っています。夢は1軍の通訳をすることですね。主に通訳は、シーズンを迎えるにあたり1軍、2軍、3軍と割り振られている。僕がいつか1軍で通訳をすることになった時に、担当していた選手も1軍で活躍できる日がきたらうれしいです。一緒に上を目指して、一歩ずつ進んでいきたいです」

 ◆ウーゴ氏の現役生活

 ▽12年 育成選手として開幕を迎えたが、7月下旬に支配下登録を勝ち取った。10月3日のDeNA戦(横浜)で2番手で1軍デビュー。2/3回を4四球1失点だった。

 ▽13年 WBCブラジル代表に選出され、第1ラウンドA組のキューバ戦と中国戦の2試合にリリーフとして登板した。

 ▽15年 7月28日の広島戦(神宮)で4番手で9回から登板。3年ぶりに1軍マウンドに立ち、4安打4失点だった。オフにヤクルトから戦力外通告を受け、12球団トライアウト(静岡)に参加。11月に巨人と育成契約を結んだ。

 ▽16年 3月に支配下登録を勝ち取るも、1軍登板はなし。2軍では15試合で1勝1敗、防御率5・79だった。オフに巨人から戦力外通告を受け、2年連続で12球団トライアウト(甲子園)に参加した。

 ▽17年 ルートイン独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブスに入団。

 ▽18年 10月31日に自由契約となり、退団した。

 ◆金伏 ウーゴ(かなぶし・うーご)1989年5月22日、ブラジル生まれ。29歳。中学卒業後に来日し、佐野日大高から白鴎大を経て、2011年育成ドラフト2位でヤクルト入団。12年に支配下登録されたが、15年オフ戦力外。同年11月に巨人と育成契約し、16年3月に支配下登録。プロ通算2試合で防御率27・00。18年に現役引退。181センチ、85キロ。左投左打。

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