不思議となじむ「令和」という言葉はやっぱりすごい

平成に代わる新元号が「令和」に決まり、記者会見で談話を発表する安倍首相(ロイター)
平成に代わる新元号が「令和」に決まり、記者会見で談話を発表する安倍首相(ロイター)

 令和が始まって数日たつので、元号に関するちょっとした小話を1つ。

 令和は「初めて国書を典拠とした」文言。中国の古典から取るのではなく国書から取るというアイデアは、今回の改元時に急に思いついたものではない。平成改元時に深く関わった政府関係者によると、昭和後期のころから「国書典拠」は議論され続けていたのだという。

 実際に、当時の国学者に考案も依頼。その関係者は「国書はひらがなの当て字としての漢字が書かれていることが多く、漢詩で書かれている国書の文言は中国の古典から引かれているものが多い。結局は難しいということで、平成改元となる1989年の数年前に断念した」と話している。新元号の候補は、有事に備えて常に何個か用意されているもの。つまり「国書」から取るというのは、平成年間の30年を含めて、およそ半世紀にわたって長らく温められてきたと言える。

 「安倍首相や政府が国書にこだわった」とか「国際情勢を鑑みて脱中国を狙ったのではないか」などの議論が巻き起こっていたが、個人的にはそこまで周囲を考えてのものではないと思っている。さらに「万葉集の令和の一節の元ネタは中国の古典だから、厳密に言うと国書から取っていない」との意見もあるが、前述のように30年前の平成改元前から同様のことを議論してきたワケなので、そんなことは織り込み済みで決めた元号なのだと思う。

 私は国書挑戦したことがあったという経緯を事前に知っていたので、新元号は「国書典拠」かつ「読みが大和言葉」(「レイワ」のような音読みではなく、例えば「そよかぜ」みたいな訓読み)になるのではないかと密かに予想していた。今回はそこまでドラスティックなものを避け「中国古典にも準拠した国書由来」で手を打ったのではないかとも推測している。

 ともかく4月1日に「令和」が発表されてから1か月。良い文言だ悪い文言だとか色々言われていたが、不思議となじんでいる。このご時世で短期間でアレコレ突っ込まれなくなる「令和」の言葉ってやっぱり凄いんだなあと思う次第です。(文化社会部・樋口 智城)

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