高橋真梨子、70歳「まだ歌いたい曲ある」 ソロ50周年初のセルフカバーアルバム来月発売

生涯現役へ「謙虚に歌い手として歩むだけです」と語った高橋真梨子
生涯現役へ「謙虚に歌い手として歩むだけです」と語った高橋真梨子
アルバム「MariCovers」の初回限定盤ジャケット
アルバム「MariCovers」の初回限定盤ジャケット
6月から41年連続となるツアーも始まる
6月から41年連続となるツアーも始まる

 歌手の高橋真梨子(70)が、6月12日に初のセルフカバーアルバム「MariCovers」を発売する。1979年から84年までに発表した初期の11曲を、大人のアレンジに変えて再レコーディングした。バンド「ペドロ&カプリシャス」の2代目ボーカルとして、73年に「ジョニィへの伝言」でレコードデビュー。半世紀近くを第一線で駆け抜ける高橋が、今作への思いを語った。(加茂 伸太郎)

 音楽が人生そのものだ。「すごくはないのよ。(私には)これ(=音楽)しかないんだから」。短いフレーズの中に、歌い手としての信念と覚悟が感じられた。

 「ペドロ&カプリシャス」の2代目ボーカルを務め、バンドを離れた後は、78年に「あなたの空を翔びたい」でソロデビューした。ポリシーは「謙虚に歩む」。毎日の積み重ねが、第一線で走り続けてこられた要因。高橋は「その通りで、ここまで来ちゃいましたね」と穏やかな口調で語った。

 長いキャリアの中で、セルフカバーアルバムを出すのは初めて。「レコーディングは必死でしたね。この年でまだ歌っているんだと思いながら。哀愁が湧く感じで歌ったかな」

 世代に関係なく、安らぎの時間として聴いてほしいという思いから、このアルバムの企画がスタートした。代表曲「for you...」を手がけた作詞・大津あきら、作曲・鈴木キサブローによる「BAD BOY」(81年)、柳ジョージ作曲の「この気分が好きよ」(82年)など、80年前半までの11曲が35年以上の時を経てリアレンジされて収録される。

 「(当時と比べたら)キーも下がる。歌も上手じゃないじゃない?(自分自身を)否定ばかりしないで、『今の年齢ならこれぐらいかな』と思ってみようと思ったの。70歳。若いもんだと思っていても、実際は年を取っている。今回レコーディングをして、70歳の、今の自分を認める初めての機会になりましたね」

 NHK時代劇「御宿かわせみ」の主題歌「祭りばやしが終わるまで」(83年)はレコーディングから36年間、ライブでも披露していない楽曲だった。「最初はあまり好きな楽曲じゃなかった(笑い)」が、リクエストが多数寄せられ、収録曲に決めた。初めて作詞・作曲した「Mary’s Song」(80年)は作詞家目線に立った時に思うところがあり、2番の詞を書き直して収録した。

 音楽プロデューサーで夫のヘンリー広瀬氏(75)は「オリジナルを超えていると思う。若い頃にできなかったものが芳醇(ほうじゅん)であり、熟成と呼べる。ビンテージの感じはワインと同じでしょう」。高橋は「澱(おり)が出ていたら困るわね」と笑った。

 シングル「for you...」(82年)がロングヒットした。「桃色吐息」(84年)を始め、「ごめんね…」「遥かな人へ」「五番街のマリーへ」など多数の代表曲を持つ。「音楽の殿堂」と呼ばれる米ニューヨークのアポロ・シアター(大ホール)では日本人唯一、3回公演(93、08、16年)を達成。17年のNHK紅白歌合戦に出場し、68歳9か月という紅組歌手としての最年長記録を持つ。

 インタビュー中、何度も「70歳だから」と口にした。年齢を言うことに抵抗がないという。「私がババアだっていうことを知ってもらいたいの」と語るが、その言葉とは裏腹に、自らを律して日々を過ごす。全ては、ステージに立ち続けるためだ。

 体力維持のため、入浴中のバタ足は欠かさない。「以前はすんなりと5分いけたけど、この頃は疲れてきちゃって、3分でもきついかな。バタ足をやると、腹筋も使うからいいのよ。何もしなかったら(すぐに体力が衰えて)入院かなというぐらいの感じになる」。好物の肉を食べてたんぱく質を摂取し、最近は体重が2キロ増えたという。

 トップアスリートのように、コンディションづくりに最善の注意を払う。プロとして当然のことをやっているだけ。そこに特別な感情はない。「ストイックだとは思わないわ。郷ひろみさんを始め、ストイックな方は他にもたくさんいる。いつになるかは分からないけど、いずれは辞めないといけない時が来るんだから」

 過去には、リハーサルで全く声が出ないという経験もあった。「結局、本番になると出るんだけど、その前に全く声が出なかった。そうすると、朝からワーワー。『出ない、出ない、出ない』って(笑い)。声が出なくなるのは(想像しただけで)すごく恐怖。朝起きて、急に出なくなることだってあるかもしれない。それが一番怖い。歌は生ものだから、いつどういうふうになるか分からない」

 昭和と平成の2つの時代を股に掛け、令和時代に入った。23年にはソロ生活50周年を控えるが、高橋は「(先のことは)あまり考えていないですね」とサラリと言った。

 幸いなことに体力、気力ともに維持できている。音楽への情熱が衰えない限り、生涯現役を貫くつもりだ。

 「まだ歌いたい曲がある。(レコーディングをしていて)この曲も歌いたい、この曲もやってみたいというのが出てきた。『MariCovers2』もやってみたい。この作品で、今の『高橋真梨子』を感じてほしいわ」

 ◆41年連続全国ツアー 計700万人突破へ

 高橋は、6月16日の埼玉公演(川口総合文化センター リリア)から全国ツアー(20か所34公演)を行う。79年の初ツアー以来、41年連続43回目の開催。6月22日の千葉公演(市川市文化会館)では観客動員700万人を突破する予定。「アンケートを取ると、初めてご覧になる方が結構いらっしゃる。想像できないわ。長く歌って回数もやっているから、そのぐらいはいくかなと思ったけど。よく調べるわね」と話した。

 ◆高橋 真梨子(たかはし・まりこ)1949年3月6日、福岡市出身。70歳。ジャズプレーヤーの父親の影響で、14歳からジャズを学ぶ。レッスンのため16歳で上京。高校卒業後、博多に戻り、ライブハウスで歌う。「ペドロ&カプリシャス」のリーダー・ペドロ梅村の誘いで再上京。94年英ロイヤル・アルバート・ホール公演。シングル39枚、オリジナルアルバム32枚発表。NHK紅白歌合戦計6回出場(「ペドロ―」時代1回+ソロ5回)。趣味はゴルフ、スポーツ観戦。血液型A。

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