◆オリックス0―4ロッテ(1日・京セラドーム大阪)
ロッテの快進撃が始まった。令和初戦となったオリックス戦(京セラD)で鈴木が新時代12球団初の三塁打を含む3安打3打点。試合前まで得点圏打率1割4分3厘だった男が猛打賞一番乗り。2本の適時打で今季2度目の4連勝へと導いた。投げては先発・涌井が7回7安打無失点で2勝目。チームは昭和、平成に続き、新元号初戦を白星で飾り4位タイへと浮上した。
固め打ちで新時代初白星を彩った。鈴木の放った鋭い打球は猛烈なライナーで右中間へと抜けていった。全速力で二塁を蹴るとスピードを緩めないまま三塁に滑り込んだ。2―0の8回2死一、二塁でカットボールを狙い打った。「令和元年、最初の試合を勝てるように」との思いがバットに乗り移った三塁打は12球団令和初。この一打で猛打賞も一番乗りとなり「名前が残ってくれることはうれしい」と喜んだ。
0―0の4回2死二塁ではフォークを捉えて右前に運ぶ先制打で令和のパ初打点も挙げた。試合前まで得点圏打率は14打数2安打の打率1割4分3厘。2本の適時打で挽回に成功し「チームとしてポイント、ポイントで点を取れたのは大きかった」と4連勝に導いた打のヒーローは胸を張った。
昨季は143試合全試合出場もシーズン終盤は途中交代が増えるなど悔しさが募った。それでも1年間レギュラーとして戦ったプライドはあった。契約更改ではダウン提示を受け「必要とされていないんじゃないか」と落ち込んだが、誰もいないZOZOマリンの右翼スタンドの階段を「うぉー! やってやるぞぉー!」と大声を出しながら走り、たまった鬱憤(うっぷん)を吐き出し、必死に気持ちを切り替えた。「やるしかない。誰が見ても『大地が必要だ』と思ってもらえるように、認めさせるつもりでやる」。目の色が変わった。オフの間も片時もバットを離さず暇さえあれば室内練習場で振ってシーズンに臨んだ。
レアードの加入で開幕・三塁は譲ったが、今季は既に投手と捕手以外の内野の全ポジションをこなしチームを支える。「どんな結果になっても後悔のないようなシーズンにしたい。ベンチにいても声が出せる。それもアピール」と大地。元号が変わってもリーダーとしての存在感の大きさは変わらない。(長井 毅)