◆春季和歌山県大会 ▽3回戦 市和歌山13―0慶風=5回コールド=(27日・田辺スポーツパーク)
今春のセンバツで8強入りした市和歌山のスーパー1年生・松川虎生(こう)三塁手が公式戦初先発で4番を務めた。1打数無安打2四球で、5回は公式戦で初めてマスクをかぶった。「まだまだ全然です。すごく緊張しました」と、初々しく答えた。
177センチ、103キロの“紀州のドカベン”は、貝塚ヤング時代に通算23本塁打を放ち、夏の全国大会優勝に貢献。甲子園優勝経験がある強豪私学など約10校からの誘いを受けたが、自宅から近いこともあって、市和歌山に進学した。
14日の串本古座戦は途中出場で2点適時打を放ち、21日の智弁学園(奈良)との練習試合では逆方向に高校初本塁打をマークした。半田真一監督(38)は「打線の軸ができた。中学で大きな大会を経験しているし、落ち着いている。1年生っぽくない」と、抜てき理由を明かした。
センバツは準優勝した習志野(千葉)に準々決勝で3―4と敗れたが、この試合は1年生が4人もベンチ入りし、2季連続の甲子園出場に向けて新戦力が台頭しつつある。指揮官は松川について「(三塁の守備は)ハンドリング、送球もいい。肩も強いし、コントロールがいい。将来的には捕手かなと思う」と、期待を寄せた。
虎生という名前は、祖父が阪神ファンで、生まれた2003年にタイガースが18年ぶりにリーグ優勝したことから付けられた。西武の山川穂高にあこがれる新戦力は「みんなから頼られるようになりたい。夢はプロ野球選手」と、大きな目標を掲げた。