◆卓球 世界選手権個人戦(22日、ハンガリー・ブダペスト)
【22日=林直史】混合ダブルス1、2回が行われ、前回王者の吉村真晴(25)=名古屋ダイハツ=、石川佳純(26)=全農=組が3回戦進出を決めた。1回戦はやや苦しんだが、2回戦で修正。難敵の北朝鮮ペアに4―0で完勝した。森薗政崇(24)=岡山リベッツ=、伊藤美誠(18)=スターツ=組も3回戦に進んだ。男女ダブルスの1回戦も行われ、日本勢は男子の張本智和(15)=木下グループ=、木造勇人(19)=愛知工大=ら4組ともに初戦を突破した。
吉村真、石川組が熟練の修正力で難敵を退けた。多彩なサーブや安定したレシーブで主導権を握り、北朝鮮ペアに4―0で勝利。前半戦のヤマ場と位置付けた2回戦を快勝で飾り、吉村真は「出来過ぎたぐらい、いい感じでした。こういった試合が増えていくように頑張ります」と声を弾ませた。
前回王者として臨んだ1回戦では思わぬ苦戦を強いられていた。格下のスイスペアに1ゲームを先取され、第2ゲームもリードを許した。吉村真は「自分が足を引っ張って。終わったと思いました」と苦笑い。辛くも逆転勝利を収めると、“中2時間”の短い試合間隔の中で反省点を話し合い、石川が「打ったら戻ることを意識しようね」と声をかけ、すぐに持ち味の連打からの展開を取り戻した。
開幕12日前、石川と組む予定だった張本の故障の影響で急きょ、ペアが変更となった。入念な準備で臨んだ前回大会に比べ、吉村真は出場予定のなかった中での緊急招集。準備期間も限られていたが、試合の中での高い修正能力は結成8年目の強みだ。吉村真は「苦しい試合からの2試合目の素早い切り替えはペアリングの長さを感じた」としみじみと振り返れば、石川が「2試合目みたいなプレーができたことですごく自信になりました」とうなずいた。
コート外でも息はピッタリだ。吉村真が試合後、「しっかり調整して石川さんに貢献できるように頑張ります」と3回戦への意気込みを語ると、隣で1歳上の石川が「何それ、何それ。2人でやるのに貢献って!」と突っ込み。「引っ張れるように頑張りたい」と言い直すと、石川が「はい、よろしくお願いします」と笑顔で頭を下げた。
世界選手権個人戦への出場は、13年から4大会連続だ。石川は「2年に1回の試合に、同じペアで4回出ることはなかなかない。すごくうれしいし、チャレンジャーの気持ちを忘れずにどんどん相手に向かっていく試合をしたい」。磨き抜かれた連係で勝ち進む。