高飛び込みに新星現る 12歳・玉井陸斗が最年少日本一「優勝は狙ってました」

12歳の玉井が優勝。表彰台で中央に立つも両脇の2位・萩田拓馬(左)、3位・大塚千誠の肩までしか身長がない
12歳の玉井が優勝。表彰台で中央に立つも両脇の2位・萩田拓馬(左)、3位・大塚千誠の肩までしか身長がない

◆飛び込み世界選手権代表選考日本室内選手権 最終日(21日、東京・辰巳国際水泳場)

 20年東京五輪へ超新星が現れた。男子高飛び込みで、シニアデビュー戦となった中学1年生の玉井陸斗(12)=JSS宝塚=が474・25点の高得点で初優勝。日本水連によると、12歳7か月10日でのVは日本選手権や室内選手権を通じ最年少となった。年齢制限のため7月の世界選手権(韓国・光州)には出られないが、東京五輪では日本男子最年少となる夏季五輪出場の可能性が出てきた。

 小さな中学1年生が、でっかい快挙を成し遂げた。ラストの6本目。玉井が選んだのは5255B(後宙返り2回半と2回半ひねりえび型)という大技だ。10メートルの高さから飛び込んだにもかかわらず、水しぶきはわずか。この日の全選手最高となる91・80のハイスコアをたたき出した。「優勝は狙ってました。めちゃくちゃうれしい」。シニアデビューでの頂点。うれし涙が初々しい。

 143センチ、36キロの小柄な12歳。表彰台の真ん中に立ち、やっと先輩選手たちと肩が並ぶ。6本の試技のうち前半3本を80点以上でまとめ、2位以下に60点以上の大差をつけた。「みんなより回転力が武器。得意種目なので落ち着いて飛べた」。とはいえ、高飛び込みは昨年から始めたばかり。板チョコのごとくバキバキに割れた腹筋は、日々のトレーニングで自然と出来上がったものだ。

 合計474・25点は、日本水連の定める世界選手権派遣基準の463点を超えたが、主要国際大会では「開催年の12月末日に14歳以上」という年齢制限があり、今回は出られない。ただ翌年の東京五輪では規定をクリアする。「オリンピックで金メダルを取りたい」。詳細な記録が残る戦後では、1968年メキシコ市大会競泳・竹本ゆかりの13歳6か月が日本人最年少の夏季五輪出場。13歳10か月で出場すれば男子最年少だ。

 3歳から水泳を始め、小1のとき、64年東京五輪飛び込み代表の馬淵かの子コーチ(81)の誘いで競技を始めた。小5からは日本代表の馬淵崇英ヘッドコーチ(55)に英才教育を施されてきた。「並外れた才能。運動能力も高いし体も柔らかい。頭もいいし、けがもしない。欠点がない。五輪に行ってもメダルでも取れるんちゃうかと思ってきました」と、かの子コーチは興奮を隠さない。キリッとしたルックスで、受け答えも大人顔負け。スポーツ万能で「小学校でも女の子にモテまくりよ」と恩師はニコニコ顔だ。

 日本勢は五輪の飛び込みでメダルを獲得したことがなく、高飛び込みでは男子が2000年シドニー大会の寺内健(5位)、女子は36年ベルリン大会の大沢礼子(4位)が最高だ。「ノースプラッシュっていう、しぶきが立たない入水ができたときが一番快感」。初のメダルへ、新星が強烈な輝きを放った。(太田 倫)

 ◆玉井の東京五輪への道 五輪切符獲得には2通りある。今回の優勝でアジア杯(9月6~8日、マレーシア)の代表選出が確実となり、個人種目で優勝すれば五輪内定。もう一つは来年で、2月の国際大会派遣選手選考会をクリアした上で、4月21~26日のW杯東京大会で個人種目準決勝18位以内に入れば出場決定。代表は各種目2人。

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