【箱根への道】王者・東海大、更なる進化へ…アリゾナで2か月武者修行

箱根駅伝連覇に向け、息抜きもしながら力を蓄えた東海大メンバーら(東海大陸上部提供)
箱根駅伝連覇に向け、息抜きもしながら力を蓄えた東海大メンバーら(東海大陸上部提供)
米遠征で練習を積む東海大のメンバーたち(東海大陸上部提供)
米遠征で練習を積む東海大のメンバーたち(東海大陸上部提供)

 王者がパワーアップして帰ってきた。今年の箱根駅伝で初優勝を果たした東海大は1月31日~3月30日の約2か月間、毎年恒例となっている米国遠征を行った。今回は標高約2100メートルのアリゾナ州フラッグスタッフに拠点を置き、新主将の館沢亨次や関颯人(ともに4年)らがトレーニング。鬼塚翔太(4年)は男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(27)と約2週間、一緒に練習するなど研さんを積んだ。箱根連覇、そして学生駅伝3冠を目指す東海大の米国武者修行に迫った。

 進化を求めて、東海大は海を渡った。館沢ら主要メンバーでの米国遠征。優勝報告会のため途中で数日間帰国したものの、約2か月間ひたすら鍛錬に明け暮れた。関ら“黄金世代”が最上級生となり、学生駅伝3冠へ最も近いチームとの声もあるが、成長はまだまだ止まらない。

 西川雄一朗(4年)「後半に合流して、約20日間、米国でトレーニングしました。足の状態が良くなかったので別メニューでしたが、高地だったこともあって足に負担をかけることなく呼吸器系を鍛えられました」

 副将を務める西川はけがも癒え、帰国後は順調に練習している。現地ではNCAA(全米大学体育協会)歴代最多17冠でオレゴン大を卒業した“キング・チェス”ことエドワード・チェセレク(ケニア)のポイント練習も見学。自ら車を運転して競技場へ向かい、1人で黙々と走る姿に「覚悟というか、腹をくくるっていうのはこういうことなのかと思った」。精神的にも学ぶべき点が多い遠征となった。

 鬼塚「大迫さんと一緒に練習させていただいて、練習はもちろん、生活面でも発見がありました。陸上以外にもいろいろなお話ができて、とても刺激になりました」

 2月中旬に大迫とトレーニングした鬼塚は、一軒家で日本記録保持者と貴重な2週間を過ごした。大迫は東京マラソン前だったこともあり、準備や私生活からも緊張感が伝わってきたという。3月30日にはカージナル招待5000メートルに出場し、13分55秒81をマーク。「シーズンに入ったばかりだったが、いい感覚で走れた」と手応えを話した。

 小松陽平(4年)「初めての海外でしたが、いい経験ができました。トレイルや高地での練習はなかなか日本ではできないので。生活面では、郡司(陽大、4年)とレストランで豚(Pork)を頼んだつもりがポケ(Poke、ハワイの魚料理)が出てきて…。英語は難しいです」

 箱根8区区間新をマークし、金栗四三杯を獲得した“MVP男”小松は世界クロカン(デンマーク)日本代表だったこともあり、約10日間合流。慣れない英語に苦しみながらも、米国、デンマークと国際経験を積んだ。今季のトラックシーズンは5000メートルの北海道記録(13分49秒36、2010年明大・菊地賢人)更新を狙う。

 塩沢稀夕(きせき、3年)「昨年はけがでほとんど走れず苦しみましたが、米国で接地の改善に取り組み、けがなく走れています。レースでも1万メートルで自己記録とほぼ変わらないタイムで走れました。来年以降も、ぜひ米国でトレーニングしたいです」

 1年時に1500メートル東海大歴代9位となる3分44秒63をマークしたが、昨季はけがに泣いた。爪先接地による負担を減らすべく、フラットな接地にするなどフォームを試行錯誤。「箱根での優勝をチーム内から見ていても、やはり自分も表彰台に立ちたかった」と悔しさを糧に1万メートルを中心に今季を戦う。

 両角速(もろずみ・はやし)監督(52)は「昨年のオレゴン州とは場所も変えて、いい練習が積めた。これからのシーズンにつなげていければ」と手応えを実感。今秋にはドーハ世界陸上もあり、主力選手は日の丸も貪欲に狙うつもり。世界から箱根へ。東海大が新たなスタンダードを作ろうとしている。(太田 涼)

箱根駅伝連覇に向け、息抜きもしながら力を蓄えた東海大メンバーら(東海大陸上部提供)
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