上川隆也、オファーを待つ執事のような その俳優人生

スポーツ報知
完全無欠の執事を演じる上川隆也(カメラ・小泉 洋樹)

 俳優の上川隆也(53)が主演するテレビ東京系連続ドラマ「執事西園寺の名推理2」(金曜・後8時)。パーフェクトな執事の西園寺一が奥さま・伊集院百合子(吉行和子)の願いをかなえながら、身の回りで起きる事件を解決に導く。今年で芸能生活30周年。これまでも自分から仕事を求めることなく、来たオファーに真剣に取り組んできたスタイルは、どこか執事と通じるものがある。(浦本 将樹)

 こちらの目を見て質問を聞き、言葉を選んで慎重に話す。まるで本物の執事と話しているような錯覚にとらわれる。

 パーフェクトな執事の西園寺一が身の回りに起きた事件を解決へと導くドラマ。昨年4月に放送された第1弾が人気を博し、1年ぶりの続編が始まる。

 「1が終わって時を置かずに(続編決定を)聞きました。原作がないため、全ては携わった人間によって紡ぎ上げられた物語です。愛着もあり、思いもひとしおでした」

 過去、さまざまなドラマで刑事、探偵、戦国武将など演じてきたが執事は今シリーズが初めてだ。

 「これまでも、もっと独特な役はありましたから戸惑いはありませんでした。でも、彼の特異性をいかに映像にするかは考えを巡らせました」

 現役のベテラン執事の指導を受けて役作りに励んだ。執事として行動するシーンでは、今作でも執事が現場に立ち会うという。

 「国際的なマナーの基準というのがありまして、例えば部屋をノックする際は大概は2回です。でも国際基準だと、それはおトイレ(入っていますか?)になるそうです。来客やあるじには3回もしくは4回と決められているそうで、それは僕も知りませんでした」

 そのベースに自身の想像を足して西園寺像を作り上げる。

 「極端なことを言うと西園寺みたいな人はいない。知識も豊富でスキルも完璧。だとすれば地盤がきちんとあれば、そこからの飛躍は自由かなと思っています」

 前作で百合子は八千草薫(88)が演じたが、病気療養のため、今作では吉行和子(83)が務める。

 「『吉行さんの伊集院百合子がそこにいる』という印象でした。いろいろとお考えになってご参加いただいていると思いますが、おくびにも感じさせません。存在感がありながら、どこかチャーミングでもあります」

 今作では西園寺が新たなスキルを身につける。第1話ではカードマジック。今後はアイススケートにも挑戦している。

 「カードマジックは最初はカードがバラバラとなってしまったので数週間、練習させていただきました。アイススケートも全く経験はなく、最初は歩くのもままならない状態でしたが、プロの方にご指導いただいて5回くらいリンクに行きました」

 マジメな表情がほころんだのは、第1話に登場するプリンセス天功の話だった。

 「それこそ初代引田天功のアシスタント時代から拝見しています。世界的な方なのに『よろしくお願いします』と当たり前に僕らに接してくださり、差し入れでお弁当まで入れていただきました」。関係者から、プリンセス天功が上川のドラマを知っていたと聞くと「本当ですか! それはうれしい驚きです」と目を輝かせる。

 中央大学在学中の1989年に劇団「キャラメルボックス」に所属したのが芸能界入りのきっかけ。今年で30年を迎える。2006年のNHK大河「功名が辻」に主演するなど着実にキャリアを築いてきた。

 「お芝居を楽しんでいたら、そうなっていたという感覚が実感に近いですね」

 これまでオーディションを受けたことはなく、全てがオファーを受けての仕事。どこか執事を思わせる俳優人生だ。

 「今まで決して『こんな役がやりたい』とか『こんなことをやりましょう』と自分から働きかけることはありませんでした。今後も、僕という素材にどんな可能性を見いだしてお声がけをしてくれるか心待ちにしています」

 どんな日常を過ごしているのだろうか。

 「好きで仕事をしていて不規則な日々です。この時期に休みたいから、この時期に仕事を詰めるということもしないですね」

 休日は家で犬と過ごしたりゲームを楽しむ。今はまっているのが13年発売のゲーム「ザ・ラスト・オブ・アス」。細菌の蔓延(まんえん)で滅びそうな世界の中、主人公の男性と少女が旅を続けるホラーだ。

 「最近のゲームではないですが、世界観が好きで引っ張り出してやっています。主人公のキャラが死んで僕が変な声を出すと、僕の横に一緒にいる犬が首をもたげます」

 今後の仕事についても発言は控えめだ。シリーズ3や4を目指す考えはないのだろうか。

 「可能性があるならば、とはどこかで思っていますが、切望したら邪念になってしまいそうで怖い。2に専念して、どう受け止めていただくのかは先の話です」

 「まるで西園寺ですね」と水を向けると「いえいえ。僕自身はだらしない人間ですから」と謙遜する。だが最後まで真摯(しんし)な“執事スタイル”は変わらなかった。

 ◆上川 隆也(かみかわ・たかや)1965年5月7日、東京都生まれ。53歳。中大在学中の89年に演劇集団キャラメルボックス入団。95年、NHKドラマ「大地の子」で主演。96年連続テレビ小説「ひまわり」に出演。2006年、大河ドラマ「功名が辻」では仲間由紀恵とダブル主演。09年、元舞台女優と結婚。18年、テレ朝系「遺留捜査第5シリーズ」に主演。175センチ。

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