キャスター・カトパン、視聴率4%台発進もフジ社長は「長い目で」

「Live News it!」で初の報道キャスター挑戦も視聴率が低迷中の加藤綾子アナウンサー
「Live News it!」で初の報道キャスター挑戦も視聴率が低迷中の加藤綾子アナウンサー
「Live News α」で奮闘中の三田友梨佳アナウンサー
「Live News α」で奮闘中の三田友梨佳アナウンサー

 元フジテレビで現在フリーの加藤綾子アナウンサー(33)が初めて報道キャスターを務める夕方のニュース番組「Live News it!」(月~金曜・後4時50分)が17日放送回までの平均視聴率で4・4%(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)と低迷している。

 4月1日の初回は4・6%。3月29日に放送された前番組「プライムニュースイブニング」の最終回の4・9%を下回った。同時間帯のライバル番組、日本テレビ系「news every.」は、この間、4月1日に記録した13・2%を筆頭に17日までの平均視聴率10・6%。生まれ変わった「Live News」にダブルスコア以上の差をつけ、トップを走っている。

 キャスター・カトパンについて、主婦でもある同僚記者たちに聞いてみた。「基本的に柔らかい笑顔の人だから、シリアスなニュースを伝えるのには向いていない気がする。生活情報番組ならハマると思うけど、例えば無差別殺人や災害などを伝える時の信頼度という点でどうなのか」「笑顔が似合うだけに重いニュースの時、どうするんだろうと思ってしまう。適材適所ではない感じがする」―。

 どうだろう。「Live News」が狙う視聴者層は、まさにこうした主婦層中心。家事のかたわら視聴してもらい、そのまま、ゴールデン帯(午後7~10時)の番組も見続けてもらう。そんな思いがあってのカトパン起用だったはずも、ここまでは期待を裏切る形になっている。

 19日、東京・台場の本社で開かれたフジテレビの定例社長会見でも宮内正喜社長(74)が冒頭、自らこの話題に触れた。

 「夕方のニュース番組は、まだまだ満足のいく結果につながっているとは申し上げられない」とした上で「加藤綾子キャスターの存在感や明るくなった番組イメージ、内容の見やすさなど、視聴者の皆さんに親しみを持ってもらえる内容となっている。今後の可能性に大いに期待しています。帯番組なので、時間がかかるのは想定した上で長い目で育てていきたいと思います」と続けた。

 だが、私には3月6日に行われた同局の4月番組改編発表会見にゲストとして登場した際のカトパンのさわやかそのものの笑顔が強く印象に残っていた。

 改編会見では斎藤翼編成部長が「今回の改編の目玉はゴールデン帯への入り口となる夕方のニュース番組の刷新」と発表。多くの視聴者が集うゴールデンタイムへの“呼び水”としての夕方のニュースの強化だっただけに、3~4%台の視聴率は想定外だったろう。そう思ったから、社長会見で改めて聞いてみた。

 「社長は『長い目で』とおっしゃったが、ゴールデン帯への呼び水としての視聴率としては、やや低いのではないか」―。

 この質問にマイクを持った報道担当の岸本一朗専務は「社長も言いましたが、帯番組というのは視聴習慣がつくまでにかなりの時間がかかります。そういう意味で、この番組をじっくり育てていきたい。前番組からカラーやコンセプトも変えたので、そういう意味でも時間はかかる。ですから千里の道も一歩からではなく、十里の道も一歩からということで着々とブラシュアップしていきたいと思っています」と厳しい表情を崩さず答えた。

 「千里の道」を「十里」と言い換えた部分に多少の焦りを感じたから、職場の同僚女性の意見も踏まえて、さらに聞いてみた。

 「加藤さんの場の雰囲気を良くする笑顔や資質は生活情報番組などには向いていても、事件なども多く報じるニュース番組にはどうなのかという見方もあるが」―。

 岸本専務は「そういった声もいろいろなところで聞きますが、全く心配しておりません」と、まずきっぱり。「ニュースキャスターとして、ふさわしい資質を持っていると思います。ニュースというのは、まず正確に記者が書いた原稿を読めること。プラスして、今回の番組コンセプトである一般の方々の共感を呼ぶようなニュース、それについては彼女はきちんと自分の目線でコメントもできる。今後、ますますそのあたりを前面に出していけば、徐々に視聴率も伸びていくと思っています」と、その実力に太鼓判を押した。

 そう、番組名も「Live News」に変更した大型報道番組の切り札こそ、フジに帰ってきたカトパン。改編会見の際、オファーを受けた時の気持ちを聞かれ、「驚きました。私で大丈夫かなと」と苦笑。「でも、(スタッフの)皆さんとお話して頑張りたいという気持ちがフツフツと沸いてきました。地道に真摯に取り組んでいきたいと思っています」と最大の武器の笑顔を全開にし、集まった約80人の記者を魅了した。

 08年に民放3局の入社試験に同時に合格した「スーパー綾子」としてフジに入社すると、明るい笑顔と天真らんまんなキャラクターでスポーツ番組やバラエティーで大活躍。16年に退局し、フリーに転身した後も数多くのバラエティー番組に引っ張りだこのスターアナには確かに抜群の存在感と親しみやすさがある。

 改編会見に同局報道全般の責任者として出席した報道センター編集長・織田雅彦氏もまた、「報道キャスターにはニュースの経験、見識も大事ですが、コミュニケーション能力とニュースの中に登場してくる方の気持ち、視聴者の気持ちの心のヒダをつかみ取る能力こそが必要なんです。コミュニケーション能力の高さ、周りの雰囲気をつかんで、どう表現すればいいのかを的確につかむという点で、加藤さんを非常に評価しています。視聴者と番組との間を結びつけて行く、その能力に大いに期待しています」と、その実力に太鼓判を押していた。

 しかし、織田編集長は会見後、私に「加藤さんの起用で即、他局との競争に勝てるなんて甘いことは考えていません」と正直に明かしてもいた。

 編成・報道全体の責任者・石原隆取締役は改編会見後にこう言った。「分かりやすく間口が広いニュース番組を目指したい」―。報道のエースと目されていた秋元優里アナ(35)が「竹やぶ不倫疑惑」で報道の一線から外れた。椿原慶子アナ(33)もおめでたで降板。三田友梨佳アナ(31)は夜の「Live News α」(月~木曜・後11時40分、金曜・深夜0時10分)に転身し、頑張っている。

 そして、切り札中の切り札として古巣に迎えられたカトパン。この日、フジの首脳たちが口にしたように「カトパンの春」は、まだ始まったばかり。その笑顔がフジにもたらすものは成功の愉悦か、それとも…。今は、じっくりと、その成否を見守る時なのだろうか。(記者コラム・中村 健吾)

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