篠原信一さん、アーチェリー早川漣と「ツインタワーズ」結成!?突撃体験リポート

スポーツ報知
早川漣(左)と握手をする篠原信一氏(カメラ・中島 傑)

 元柔道五輪メダリスト・篠原信一さん(46)の突撃リポート第4弾はアーチェリーだ。12年ロンドン五輪女子団体銅メダルで20年東京五輪を目指す早川漣(31)=デンソーソリューション=の手ほどきを受けた。初めて弓を握り矢を放った篠原さんは、メダリストも仰天する意外な素質を披露。身長180センチの早川から、190センチの篠原さんとの「ツインタワーズ」結成の要請まで飛び出し、24年パリ五輪挑戦に色気が出た。(構成・小河原 俊哉、カメラ・中島 傑)

 ▼挑戦競技 アーチェリー

 ▼日時 3月26日午前11時

 ▼場所 味の素ナショナルトレセン(東京・北区)内アーチェリー場

 ▼天候 晴れ

 ▼取材協力 12年ロンドン五輪女子団体銅メダリスト・早川漣、新海輝夫・全日本連盟強化部長、株式会社デンソーソリューション

 ▼挑戦時間 約90分

 【はじめに】 弓矢は懐かしいですな 今から数百万年前に僕が原人だった頃に、よく狩りに行ってましたから、得意なんてものじゃありませんって ウホ、ウホ! 冗談はさておき、アーチェリーは全くの初めてでして(汗)。未知の競技なのでドキドキですが、的を射たリポートができればと思います!(関節ポキポキ)

 《1》弓を持つ&弦を引く

 篠原(以下、篠)「ウホッ、ウホウホゥ!?(翻訳=僕が原人だった頃は木の弓だったけど、近代の弓はすごいですねぇ!?)」

 早川「…」

 まずは早川の弓を借りて構える。照準器や弓を安定させるスタビライザーなどが装備されており、重さは約3キロ。弦を引くと、すぐにウホウホとは言えなくなった。

 篠「うっ、腕がっ! プルプル震えて定まらんし!」

 想像以上に弦が硬く、引くだけで精いっぱい。そこで早川が手本を見せた。キュッと弦を引くやスッと放つ! 「ズボンっ!」という空を切る音とともに、ほぼ真ん中に矢が突き刺さる。

 篠「すごっ! 暴れん坊将軍みたい!」

 〈2〉実射

 競技では70メートル先の的を狙うが、今回は10メートルで挑戦。全日本連盟の新海強化部長から「弦を引くと言いますが、実際は上から下ろす要領です。矢を弦に添えて顎の下まで下ろし、定まったら放ってください」とのアドバイスを受け挑んだ。

 篠原さんの生まれて初めての1本目は、かすりもせず的の上空を通過。ところが2本目で早川と新海部長が仰天する奇跡が。真ん中の10点付近にほぼ近い、9点部分にズブリ!

 篠「ウホ!?(マジで!?)」

 そして3本目も9点付近に! 現場が騒然となった。

 早川「すごいっ! 本当に初めてですか?」

 新海部長「どっかでやってたんじゃないですか?」

 篠「アスリートの血が騒ぎましたかな(ドヤ顔)」

 〈3〉突然のスカウト

 奇跡の2発で展開が急変。全日本連盟から熱烈な転向オファーが飛び出した。

 早川「東京五輪はすでに選考が始まってしまったので、次の24年パリ五輪にミックス(男女混合)で出ましょうよ!」

 新海部長「本気で4年後を目指しませんか?」

 篠「私も隠れた才能を発見してしまいました(汗)」

 身長190センチの篠原さんの長所に新海部長も太鼓判を押した。「リーチが長いから有利なんです。長い方が矢が安定して飛びますから。あ! 顎も長い方がいいんですよぉ」とベタボメ。もはやリップサービスか冗談かも分からなくなり、篠原さんもウホウホ顔だ。

 篠「toto BIGに当たったような夢気分~」

 〈4〉30メートルの的に挑戦

 10メートルの近距離や素引きでフォームが身についてから30メートルでの練習に移るが、今回は特別に30メートルにも挑戦。早川が難なくド真ん中を射る光景を見てイメージを膨らますが、やはり簡単にはいかない。

 篠「どういう心境で射るんですか?」

 早川「無心です。ぶれないように何も考えないこと。息を吸ったら止めて、何も考えずに放ってください!」

 弦を下ろし腕がプルプルと震える。助言の通り、すぅっと息を吸い、止めて放つ。

 篠原の心の声「信一よ! 無心になれ」

 放たれた矢は的の端っこに辛うじて刺さった。

 新海部長「驚いた! 的の端でも当てること自体がすごいです。照準器も何も装備がついてないのに。本当にすごいですよ!」

 早川「10点満点で11点です! 組みましょうよ!」

 高評価を受け東京五輪から新種目となる男女ペアの混合リカーブの誘いを受けた。

 篠「身長180センチの早川さんがエッフェル塔なら、190センチの僕がスカイツリー。『ツインタワーズ』結成ですな!(うれし涙)」

 〈5〉実際はもっと難しい

 10メートル、30メートルの実射で思わぬ才能を発揮した篠原さん。実際の五輪競技は70メートルもあり、その距離も体感した。標的の前に立ち、70メートル先のシューティングラインにいる早川と比較すると、篠原さんは豆粒の大きさに。

 篠「めっちゃ遠いわ。絶対、矢なんて届かへんて!」

 標的の実寸は直径122センチで、70メートル先になると大きさはCD1枚、直径12センチほど。さらに風や雨など天候にも大きく左右され、難度も高くなる。70メートル先の10点獲得には練習あるのみで、早川は1日500本を射る練習をする。

 早川「500本射っても、矢を抜くために的まで70メートルを往復します。なので、相当な距離を歩くことになりますよ」

 篠「刺さった矢を引き抜くのもめっちゃ大変だし、こんなに奥深くしんどいとは…。パリ五輪、無理やて」

 早川「千里の道も一本から。篠原さん、光陰矢のごとしですよ!」

 篠「お~い、山田くん! 座布団、いや、矢、持ってきて!(汗)」

 ◆一度競技離れるも復帰 2度目出場へ視界良好

 早川は12年ロンドン五輪で女子初の団体銅メダルを獲得した後、14年秋の長崎国体を最後に約1年半、競技から離れた。15年3月に右肩痛のため一度は指導者の道を歩んだが、周囲に背中を押されて16年4月に現役復帰。同年夏のリオ五輪は間に合わなかったが「支えてくれた方々、応援してくれる会社のためにも恩返しがしたい」と胸に刻み、カムバックした。

 復帰後の17年はW杯などの個人戦や団体戦で表彰台に上がり、存在感をアピール。18年11月には競技活動を支える企業からの強力な支援も得た。「会社のスローガンが『明るく楽しく元気よく』で私にピッタリ」と、デンソーセールス(現デンソーソリューション)と雇用契約を交わした。

 年内の目標は東京につながる6月の世界選手権(オランダ)代表入り。すでに第3次選考会を突破し、22日のW杯(コロンビア)での最終選考会で世界切符を得る出場4人のうちの上位3人入りを狙う。メダルを獲得すれば最終選考会のシード権が手に入る。2度目の五輪へ視界は良好。「東京に出るからには全種目(個人、団体、混合)で金メダルと言いたいところですが、団体での金が一番欲しいです」と意気込んだ。

 ◆アーチェリーの東京五輪への道 男女各3枠を20年4月の最終選考会(NTC予定)で選ぶ。6月の世界選手権個人種目メダリストには最終選考会出場権を付与。男女とも1次選考会は11月で、公認大会の記録や10月の全日本選手権の予選上位、メダリストではない世界選手権代表ら16人から8人に絞る。20年3月の2次選考会の上位5人が最終選考会に進む。

 ◆早川 漣(はやかわ・れん)1987年8月24日、韓国・全州生まれ。31歳。2009年に日本国籍を取得。日体大出、長崎・佐世保商高職を経て、18年11月に株式会社デンソーセールス(現デンソーソリューション)と雇用契約。10年全日本選手権優勝。12年ロンドン五輪で川中香緒里、蟹江美貴と日本女子初の団体銅メダル獲得。姉は08年北京五輪代表の浪。180センチ、75キロ。

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