たけし、大河「いだてん」志ん生役でスキンヘッドにしなかった理由

ビートたけし
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 NHK大河「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜・後8時)のスタートから3か月が過ぎた。本作は中村勘九郎(37)、阿部サダヲ(48)による主演リレー形式で、勘九郎が主人公のマラソン選手・金栗四三を演じる前半パートの半分を終えた。

 放送開始当初から気になっていたのは、明治後期から昭和にかけて活躍し「落語の神様」と呼ばれた5代目・古今亭志ん生を演じるビートたけし(72)だ。副題の架空の落語「東京オリムピック噺」を高座で語り、物語を進行する重要な役どころで、毎回登場する。

 実際の志ん生に寄せていない役作りに驚いた。まずはその風貌。志ん生はスキンヘッドだが、たけしは地毛のまま演じている。話し方も志ん生は気品すら感じるゆったりとした口調だったが、たけしはバラエティ番組から飛び出してきたかのようなスタイルに見える。

 極めつけは第10話。神木隆之介(25)との入浴シーンで湯船につかる裸の“志ん生”は、もはやたけしそのものだった。そうした“たけし流”の役作りについて、先日、制作統括の訓覇圭氏に話を聞いた。すると、意外な事実が浮かび上がってきた。

 たけしがこれまでの映像作品でスキンヘッドになったのは粗暴な軍曹ハラを演じた映画「戦場のメリークリスマス」(1983年)だけだという。今回もスキンヘッドについて話し合われたそうで、「(スキンヘッドだと)怖くなってしまう。たけしさんも『怖いからな』と話していた」と訓覇氏。スキンヘッドにしなかったのは、印象を和らげる狙いがあったようだ。

 また髪の色を真っ黒にする案もあったがカツラのように見えてしまうため、たけしの茶髪を少し黒に近づけた。話し方は、「ナビゲーターとしてドラマの案内もしなければいけないので、志ん生さんのものまねというより、たけしさんの風味が出ても良いかなと思った」(訓覇氏)。役作りに関する話し合いにかなりの時間を費やしたという。

 たけしは幼少期から志ん生の落語を聞いて育ち、「落語界で一番尊敬する人」と断言している。訓覇氏は「たけしさんは本当に志ん生さんのことを分かっている人だから、スピリットが通じていればいい。そういうキャスティング。僕の中では、たけしさんしかいない」。こうして新たな志ん生像が生まれた。

 かつては「たけし軍団」入りを考えたほどたけしをリスペクトているという脚本の宮藤官九郎氏(48)と訓覇氏が5年の歳月をかけて構想を練ってきた「いだてん」。史実を丹念に調べ尽くし、物語を描いてきた。そんな中、異彩を放つたけしの“寄せない役作り”の裏には、制作サイドとの絶対的な信頼関係があった。(記者コラム)

 ◆いだてん~東京オリムピック噺~ 熊本出身の金栗四三(勘九郎)が、講道館柔道の創始者・嘉納治五郎(役所広司)が校長を務める東京高等師範学校に進学し、日本人で初めてストックホルム五輪に出場。マラソンに挑むが惨敗を喫する。新聞記者で水泳の指導者である田畑政治(阿部)は東京五輪実現のため、64年の五輪招致に奔走。組織委員会事務総長として成功に導く。

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