なぜ“実質5部”のFCティアモ枚方に元日本代表・二川ら元Jリーガー8人がやって来たのか

枚方市役所で行われた会見で、辻本茂輝監督を中心に意気込みを見せるFCティアモ枚方の選手たち
枚方市役所で行われた会見で、辻本茂輝監督を中心に意気込みを見せるFCティアモ枚方の選手たち
常勝鹿島の中心選手だった野沢(左)も枚方に加入
常勝鹿島の中心選手だった野沢(左)も枚方に加入

 関西1部リーグのFCティアモ枚方が、元Jリーガー8人を大量補強して2019年シーズンに挑む。J1、J2、J3、JFLに次ぐ実質5部に当たる地域リーグの同クラブに、なぜG大阪で活躍した元日本代表MF二川孝広(38)や、元鹿島の同代表MF野沢拓也(37)ら実績十分の選手たちが一堂に集ったのか。そこには近い将来のJリーグ参入という大きな野望と、セカンドキャリアへの準備という現実を見据えたクラブの取り組みがあった。

 地域リーグとしては異例の大型補強を敢行したFCティアモ枚方が、14日に関西1部リーグの開幕戦・アルテリーヴォ和歌山戦(五色台メイン)を迎える。今季は新加入の12人中、8人もの“元Jリーガー”を補強。中でもG大阪で10番を背負った元日本代表MF二川、鹿島で数々のタイトルを獲得したMF野沢、神戸で活躍したMF田中ら、J1での実績も十分な選手の獲得は、サッカー界で話題を集めた。

 野沢はJ1から数えて実質5部のクラブに加入した理由を「Jリーグにいるより、このチームの方がやりがいがあると思った。Jリーグでもやれる自信はある。でも違った舞台から、Jリーグに帰るというのは(Jで)タイトルを獲る以上に難しい」と語った。現役として完全燃焼しておらず、大きな目標に向かってのプレーを求める選手たちが新たな挑戦を選んだ形だ。

 同クラブの村島孝史社長は「僕たちがJを目指す部分に加え、彼らが引退した後のことを考えることができる部分にも魅力を感じてもらえたのではないか」と語る。同クラブにはプロ選手はおらず、全員がアマチュア契約。選手たちは午前中に練習を終えると、クラブが斡旋した仕事に従事する。二川、野沢らはアサンプション国際中学校、高等学校、香里ヌヴェール学院高等学校のサッカー部でコーチを務める。J1のトップも経験した選手たちが、現役のまま子ども達の指導を行うことは異例だ。

 さび付かない技術を間近で見ることは、子ども達にとって大きな刺激となる。さらに選手たちにとっても、引退後の指導者という選択肢も含め、将来のキャリアを考えながらプレーを続けることができる利点がある。主に火曜から金曜までコーチを務めるというハードな環境にも、野沢は「子ども達の顔を見ていると、一人でも多くプロに上げたいと思う」と笑顔を見せていた。現役とセカンドキャリア、両方の充実を見据えた新たなスタイルを打ち出し、ティアモが今季のJFL昇格を目指す。

 〇…ティアモではコーチ職だけではなく、一般職を選択する選手もいる。C大阪などでプレーしたGK武田は、同クラブで営業職を務める。スポンサー回り、イベント準備の打ち合わせなどクラブスタッフとしての仕事を務め「勉強になることばかり。今まで自分がどれだけサポートしてもらっていたのかを感じています」。またクラブの仕事以外に、一般企業に勤める選手も。村島社長は「サッカーに思いを向けてきた選手が、引退後には一般社会でも即戦力となれるようにしたい」と話している。

 ◆JFL、及びJリーグへの昇格条件 JFLはスタジアム等の入会条件を満たした上で、全国地域サッカーチャンピオンズリーグの1位2位が自動昇格となる。さらにJ3への昇格は、JFLで4位以内、かつさまざまな条件を満たして将来Jクラブを目指す100年構想クラブに認定され、J3クラブライセンスを交付される必要がある。ティアモはJFLの入会条件は満たしているが、J3の昇格基準はスタジアム等の問題もあり満たしていない。今後はホームタウンの枚方市等との連携で、J3昇格条件への到達を目指す。

 ◆FCティアモ枚方 G大阪でともにプレーしていたDF新井場徹、播戸竜二、稲本潤一の3人がオーナーとなり、04年に「FCイバンイーナ」として発足。大阪社会人5部からスタートし、関西1部へと昇格した15年から現在のFCティアモ枚方にチーム名を変更。17年には関西1部で2位となり、JFL昇格をかけて全国地域チャンピオンズリーグに進出したが1次ラウンド敗退。18年は関西1部で4位。ティアモ(TIAMO)はイタリア語で「愛している」。ホームスタジアムは枚方市立陸上競技場。播戸、稲本は現在、経営から離れている。

枚方市役所で行われた会見で、辻本茂輝監督を中心に意気込みを見せるFCティアモ枚方の選手たち
常勝鹿島の中心選手だった野沢(左)も枚方に加入
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