広島の一部投手陣が8日、マツダスタジアムで調整。10日のヤクルト戦(マツダ)で先発予定の野村祐輔投手(29)は“カープ化”した燕打線を警戒した。
自身の今季初登板だった3日の中日戦(ナゴヤD)で7回1失点と好投して1勝目を挙げた右腕。意気揚々と今季初の本拠地での登板に臨むはずだが、ヤクルトの印象を問われ「あそこは“線”なんで、つながりますよね」と、下位からでも切れ目なく波状攻撃を仕掛ける打線を警戒した。その理由は「コーチが一緒なんでね」―。
つまり、2012年から17年まで広島でコーチ(12年は選手兼任)を務め、昨季からヤクルトに移った石井琢朗打撃コーチ(48)の“イズム”が色濃く反映しているというのだ。野村は「僕はカープ打線と対戦したことはないけど(今のヤクルト打線は)似ていると思います。一番は三振をしない。追い込んでも、打てる甘い球が来るまで待つ感じがある」と、各打者が2ストライクからボール球を見極め、厳しいコースもファウルで粘れるようになったスキルの向上を実感している。
事実、野村が16勝で最多勝を獲得した16年はカード別最多の5勝(1敗)を挙げ、防御率2.22とカモにした。17年も2試合の登板(0勝0敗)で防御率2.70。ただし、石井コーチが就任した昨季は、2試合0勝1敗。防御率はカード別ワーストの8.76だった。ヤクルト打線の総三振数も17年の1013から、昨季は931に減少した。
「根比べみたいになってくると思います」とイケメン右腕。前回の中日戦は7回77球の省エネ投球で降板したが、今回はそうもいかない。カープのようにしつこく粘り強いスワローズ打線に、死力を尽くして立ち向かう。