大船渡の“令和の怪物”佐々木朗希、一気に大谷超え163キロ!自己最速を6キロ更新

帽子を飛ばしながらの力投を見せる大船渡・佐々木。ケース打撃に登板し163キロをマークした(カメラ・谷口 健二)
帽子を飛ばしながらの力投を見せる大船渡・佐々木。ケース打撃に登板し163キロをマークした(カメラ・谷口 健二)
プロで160キロ以上を計測した投手
プロで160キロ以上を計測した投手

 U―18ワールドカップ(8月30日開幕・韓国)の高校日本代表1次候補による国際大会対策研修合宿2日目が6日、奈良県内で行われ、今秋ドラフト1位候補の大船渡・佐々木朗希投手(3年)が実戦形式の中で日本の高校生史上最速の163キロをマーク。花巻東・大谷翔平投手(米エンゼルス)の160キロを一気に3キロも更新した。集まった日米12球団46人のスカウトからは昭和の怪物・江川、平成の怪物・松坂以上という声も。「令和の怪物」が新たな歴史を刻んだ。

 何かを期待するようなネット裏のざわめきが、どよめきに変わった。大船渡・佐々木が2番・内海貴斗(3年・横浜)に投じた3球目、左打者の外に外れた直球がうなりを上げてミットを叩いた。複数の球団のスピードガンで160キロを超え、中日のガンでは163キロをマーク。自身の最速157キロを6キロ更新した佐々木は「捕手が構えたところにいかなかった。手応えもあまりよくなかった」と振り返ったが、新時代到来を告げる圧倒的な1球だった。

 誰も前に飛ばせない衝撃の25球だった。同世代のトップが集まる代表合宿。イニング開始時に走者が置かれるケース打撃だったが、内容は紅白戦と同じものだ。初回は走者なしから3者連続三振。2回は無死一塁の設定から、全て空振り三振に仕留め6者連続三振を奪った。4番の黒川史陽(3年・智弁和歌山)にはクイックで161キロを記録。計3球の160キロ超えをマークし、バットに当たったのは森敬斗(3年・桐蔭学園)のファウルチップ(記録は空振り)と、内海の後ろへのファウルだけだった。163キロを体感した内海は「去年の夏(の甲子園で)、吉田(輝星)選手と対戦したけど、それ以上の球でした。地をはう前にミットに入っていた。瞬間移動するというか。ど真ん中でも振れていない」と脱帽した。

 集まったスカウトからも絶賛の言葉が並んだ。巨人・長谷川スカウト部長は「松坂でもマー君でも前には飛んでいた。(史上)一番です。(今秋ドラフトは)12球団が(1位で)いって(外れた11球団で)やり直しになるかもね」と史上初の12球団競合の可能性を指摘。楽天・福田プロアマスカウトアドバイザーが「今まで見た最高のピッチャー。筋肉で投げているわけではないのがいい。大谷より衝撃的。江川(卓)君よりすごい」と評すれば、西武・潮崎編成グループディレクターは「スタミナとかそういうのは(松坂)大輔の方があったと思うけど、能力的にはさらに上をいってるんじゃないかな」。昭和、平成を代表する怪物以上というジャッジが飛んだ。

 あまりの衝撃に球場の空気まで浮ついたが、本人は冷静。「すごく緊張していて、変に力が入ってしまって指にあまりかからなかった。追い込んでから力んだので、精度を上げていきたい」と振り返った。163キロについては「スピードが全てじゃないけど、春の時点で(160キロ)投げたいと思っていたので、球速としてはよかった。(160キロを投げたかったのは)何となく出るかなと」。ベストの直球なら一体何キロ叩き出すのか。底知れぬスケール感は、まさに“怪物”の名がふさわしい。(山口 泰史)

 ◆佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年11月3日、岩手・陸前高田市生まれ。17歳。小3で野球を始める。小4だった11年の東日本大震災で被災し、大船渡に移住。大船渡一中では軟式野球部に所属し、大船渡高に進学。1年夏からベンチ入りし、2年秋から背番号1。昨年6月にも実績がない中で高校日本代表候補に選ばれた。球種はスライダー、チェンジアップ、フォーク。190センチ、86キロ。右投右打。家族は母と兄、弟。

帽子を飛ばしながらの力投を見せる大船渡・佐々木。ケース打撃に登板し163キロをマークした(カメラ・谷口 健二)
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