先月21日に現役引退を発表した米大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(45)=本名・鈴木一朗=が、国民栄誉賞の受賞を辞退すると代理人を通じて日本政府に伝えていたことが5日、分かった。この日、菅義偉官房長官が記者会見で明らかにした。イチローからは「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」との返答があり、授与を断念したという。イチローの辞退は2001、04年に続き3度目。受賞となれば「令和1号」の国民栄誉賞となる可能性も高かったが、幻に終わった。
イチローの地元・愛知県では、現役引退を受け県民栄誉賞の授与を打診しているが、現時点では受諾あるいは辞退の意向は示されておらず「ペンディング状態」(県秘書課)となっている。
県によると、メジャーデビューを飾ってMVPに輝いた2001年に県民栄誉賞を新設して第1号受賞者になることを打診したが、イチロー側が辞退した経緯がある。結局、栄誉賞の新設は17年に元フィギュアスケート選手の浅田真央さん(28)に贈るまで待たなくてはならなかった。
また、生まれ故郷の同県豊山町では1994年に町民栄誉賞を贈ったが、その後は表彰を検討していないという。