「NHK高校野球実況の顔」小野塚アナ、安定よりフリーを決断 一番やりたいことは「毎日野球漬け」

NHKを退職し、フリーアナウンサーとして第二の人生をスタートする小野塚康之アナ。“生涯一実況アナ”として、野球の醍醐(だいご)味を視聴者に伝えていく(カメラ・関口 俊明)
NHKを退職し、フリーアナウンサーとして第二の人生をスタートする小野塚康之アナ。“生涯一実況アナ”として、野球の醍醐(だいご)味を視聴者に伝えていく(カメラ・関口 俊明)
小野塚アナは今季、巨人ファームゲーム、ウエスタン・リーグ公式戦、そして、中日の1軍戦を実況する
小野塚アナは今季、巨人ファームゲーム、ウエスタン・リーグ公式戦、そして、中日の1軍戦を実況する

 長年、NHKの高校野球中継の実況アナウンサーとして活躍してきた小野塚康之アナ(61)が、この3月をもって退局。フリーアナとして活動することになった。熱のこもった実況で、時に「NHKらしからぬ『熱男』アナ」と高校野球ファンから親しまれた小野塚アナ。今月からはCS放送「日テレジータス」の巨人2軍戦の実況を務めるという。今回の大きな決断の裏には、何があったのだろうか。(取材・構成 名取 広紀)

 平成最後のセンバツは、平成最初の優勝校・東邦(愛知)の30年ぶりVで幕を閉じた。長年、NHKのテレビ、ラジオの“高校野球実況の顔”として、300試合以上、マイクの前に座ってきた小野塚アナが、センバツ開幕前の3月18日付で40年近く勤めてきたNHKを退局していた。

 嘱託の契約アナとして、希望すれば65歳までは勤められる状況にもかかわらず、なぜ、フリーの道を選んだのか?

 「残された人生、一番やりたいことをやって生きていこう―と考えた時、私にとってそれは何かというと、野球なんです。NHKでは『スポーツアナウンサー』という位置付けでしたが、正直、サッカーのことはよく知りませんし、報道やバラエティーも、言葉は悪いですが私の中ではどうでもいい。野球を通して一喜一憂の生活をしたい。野球漬けの毎日を過ごしたい、と考えたんです」

 少年時代から野球に親しみ、現在の自宅も甲子園球場のすぐ近くに構えるほどの野球好き。“生涯一野球実況アナ”として、残りの人生を過ごすことを決めたという。

 「NHKにいれば安心でしょう。しかし、悔いのない人生を過ごすためには、無謀かもしれませんが、外に出て好きな事をやろうと思ったんです」

 NHK時代から熱のこもった実況にはファンが多かった。そんな実力を買われ、既にスポーツ専門動画配信サイト「DAZN」の中日ホームゲーム、「イレブンスポーツ」のファーム公式戦、CSチャンネル「日テレジータス」の巨人2軍戦実況などを担当することが決まっている。

 ◆ひとり語り難しい 6日の巨人2軍初実況

 巨人戦では、6日のイースタン対楽天戦(佐久)が初実況となる。

 「2軍戦の実況は解説者がいない『ひとり語り』の実況になりますが、これは難しいこと。でも、放送をご覧になる方にとっては、解説者がいようが、アナウンサー一人だろうが関係ないですからね。野球という競技は基本を押さえていけば楽しいものです。対戦カード、打順、得点経過、今の試合状況、この選手に与えられている課題は何か…などです。『私が放送しているような見方をすれば、皆さん楽しく野球を見ることができますよ』というような実況をやっていきたいです。『よし、今度は球場に行ってみよう。球場に行って、あの選手を見てみよう』そんなお手伝いができれば、と思っています」

 1軍公式戦からファームまで。実況に必要な資料作りも大変な作業になる。また、今月27日の「イレブンスポーツ」のウエスタン中日・阪神戦から巨人2軍戦、1軍の中日・ヤクルト戦まで、何と実況9連戦に挑むという。

 「いやあ、それこそ未知の世界ですよ(笑い)。でも、間に他競技を挟むわけでなく、野球だけですから、こんなに幸せなことはありません。きついなんて言ったら、フリーになった意味がありません。いつも言っているんですが、私は『日本野球株式会社』の広報担当者(笑い)。野球の楽しさをしっかりと伝えていきます」

 ◆小野塚 康之(おのづか・やすゆき)1957年5月23日、東京生まれ。61歳。中学、高校時代は野球部に所属して捕手としてプレー。学習院大卒業後、80年にNHK入局。鳥取放送局を手始めに金沢、札幌、福岡、大阪、東京のアナウンス室などに赴任。スポーツ中継のオーソリティーとして、特に高校野球実況で活躍した。

 ◆思い出に残っている試合は…

 高校野球の実況を300試合以上務めた中で、思い出に残っている試合を聞くと、次の試合を挙げてくれた。「まずは98年の横浜対明徳戦(準決勝)。それから07年の佐賀北と広陵の決勝戦も印象に残っています。あと、北と南の初優勝を担当したのもいい思い出。99年の沖縄尚学と04年の駒大苫小牧ですね。特に沖縄尚学の時は、最初はスタンドに空席が目立ったんですが、試合が進むにつれてどんどん埋まってきた。最後はものすごい指笛がチームを後押しした感じで…印象深いですね」

NHKを退職し、フリーアナウンサーとして第二の人生をスタートする小野塚康之アナ。“生涯一実況アナ”として、野球の醍醐(だいご)味を視聴者に伝えていく(カメラ・関口 俊明)
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